• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

ロイコトリエンB4第2受容体(BLT2)の大腸癌発症と皮膚創傷治癒における役割

研究課題

研究課題/領域番号 11J02517
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 病態医化学
研究機関九州大学

研究代表者

劉 ミン  九州大学, 医学研究院・生化学分野, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2011 – 2012
研究課題ステータス 完了 (2012年度)
配分額 *注記
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2012年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
キーワード生理活性脂質 / GPCR / 皮膚創傷治癒 / 大腸癌 / 皮膚創傷治療 / SNP
研究概要

本研究では、腸管上皮細胞や皮膚表皮ケラチノサイトに発現するGタンパク質共役型受容体一BLT2の大腸癌発生における役割と皮膚創傷治癒における役割を解析した。
1、大腸癌発生におけるBLT2の役割
これまでの研究の結果より、大腸癌を生後3ヶ月より自然発症するAPCmin/+を背景とするモデル、発癌誘導物質であるAOMと、腸炎誘導物質であるDSSを組み合わせて大腸癌を発症させるモデルにおいて、BLT2欠損マウスでは対照群マウスと比較して、大腸癌の発生率が上昇することが明らかとなった。これはBLT2が大腸癌発生を抑制することを示唆している。そこで、我々はVillinプロモーターの下流にBLT2遺伝子をつないだトランスジェニックマウスを作製し、大腸および小腸の上皮でBLT2が過剰発現していることを確認した。今後、このマウスを用いて同様の発癌モデルを行い、BLT2シグナルの癌発生における役割を調べていく予定である。
2、皮膚の創傷治癒におけるBLT2の役割。
(1)BLT2欠損マウス由来の初代培養ケラチノサイトを用いた解析:
野性型マウス由来の初代培養ケラチノサイトではBLT2リガンド依存的に細胞の移動が亢進したのに対し、BLT2欠損マウス由来のケラチノサイトではBLT2リガンド添加による細胞の移動の亢進が観察されなかったことから、BLT2シグナルは細胞の移動を促進すると考えられる。
(2)NSAID投与したマウスを用いた創傷治癒の解析:NSAIDはCOXを阻害し、BLT2リガンドである12-HHTの産生を抑制する。背中の皮膚を円形にパンチした後の治癒の速度を穴の面積を測定して評価したところ、NSAID投与したマウスで初期(創傷2-3日目)に治癒の遅延が観察された。そこで、創傷2日目の皮膚組織のHE染色およびケラチノサイトの増殖を評価するためのKi67免疫染色を行ったところ、NSAID投与によりケラチノサイトの移動の遅延は観察されたものの、細胞増殖の変化は観察されなかった。
(3)BLT2アゴニスト塗布の皮膚創傷治癒に与える影響:野性型マウスと糖尿病モデルdb/dbマウスを用いて、10μM BLT2アゴニストをワセリンに混合して皮膚創傷部位に毎日塗布した。ワセリンのみを塗布したマウスを比較して、BLT2アゴニスト/ワセリンを塗布したマウスでは皮膚の創傷治癒が促進した。以上のことから、BLT2アゴニストは創傷治癒薬となり得るのではないかと考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

特に皮膚の創傷治癒におけるBLT2の役割の研究が順調に進んでいる。BLT2過剰発見HaCaT細胞、BLT2欠損マウスを用いて、BLT2がケラチノサイトの移動を亢進させ、創傷治癒に貢献していることを明らかにし、さらにその詳細なメカニズムの解明も終わっている。現在論文を投稿して、2回目のリバイス中である。
大腸癌発症におけるBLT2の役割の研究は初期段階の研究を終え、BLT2欠損により大腸癌発生が亢進することを明らかにしている。一方、マウス腸管でBLT2を発現する(Villin-promoter)のトランスジェニックマウスを作出した。

今後の研究の推進方策

皮膚の創傷治癒におけるBLT2の役割の研究は現在論文を投稿して、2回目のリバイス中である。
大腸癌発症におけるBLT2の役割の研究は、Villin-BLT2トランスジェニックマウスを用いて大腸癌発生抑制の分子学的なメカニズムの解明は行う予定である。

報告書

(2件)
  • 2012 実績報告書
  • 2011 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] A high-affinity monoclonal antibody against the FLAG tag useful for G-protein coupled receptor study2012

    • 著者名/発表者名
      F.Sasaki
    • 雑誌名

      Analytical Biochemistry

      巻: (掲載決定) 号: 2 ページ: 157-165

    • DOI

      10.1016/j.ab.2012.03.014

    • 関連する報告書
      2011 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] Crucial role of the 12-HHT receptor BLT2 1n epidermal wound healing2012

    • 著者名/発表者名
      Min. L
    • 学会等名
      第85回日本生化学大会シンポジウムAsian Bioligy on Lipids and related molecules
    • 発表場所
      福岡(招待講演)
    • 年月日
      2012-12-14
    • 関連する報告書
      2012 実績報告書
  • [学会発表] Crucial role of the leukotriene B4 receptor 2, BLT2 in e pidermal wound healing2011

    • 著者名/発表者名
      Liu M.
    • 学会等名
      The 10th Global COE International Symposium & 7th Young Investigators Forum
    • 発表場所
      Singapore(Oral)
    • 年月日
      2011-12-23
    • 関連する報告書
      2011 実績報告書
  • [学会発表] Crucial role of the leukotriene B4 receptor BLT2 in epidermal w ound healing2011

    • 著者名/発表者名
      Liu M.
    • 学会等名
      第84回日本生化学会大会
    • 発表場所
      京都(Oral)
    • 年月日
      2011-09-24
    • 関連する報告書
      2011 実績報告書
  • [学会発表] Crucial role of the 12-HHT receptor BLT2 in epidermal wound healing2011

    • 著者名/発表者名
      Liu M.
    • 学会等名
      九州大学第6回GCOE理医連携リトリート
    • 発表場所
      熊本阿蘇
    • 年月日
      2011-08-05
    • 関連する報告書
      2011 実績報告書

URL: 

公開日: 2011-12-12   更新日: 2024-03-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi