研究課題/領域番号 |
11J02743
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
ナノ材料・ナノバイオサイエンス
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
周 舒文 京都大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2011 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2012年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | カーボンナノチューブ / CpG DNA / 癌免疫療法 / 光線温熱療法 |
研究概要 |
本研究は、今までにカーボンナノチューブ(CNT)/CpG DNA複合体のin vitroにおいての光線温熱効果、癌細胞障害効果を明らかにした。また、CNT/CpG DNA複合体を担癌マウスに腫瘍内投与し、近赤外線を腫瘍に照射することで、効率的な抗腫瘍効果が認められた。しかし、その主なメカニズムについてまだ不明であるため、本年度は、主にCNT/CpG DNA複合体の抗腫瘍効果の主なメカニズムについて評価を行った。 最初に、in vivoにおいてのCNT/CpG DNA複合体の光線温熱効果について検討を行った。担癌マウスにCNT/CpG DNA複合体、naked CpG DNAや、免疫活性化能を有しないCNT/GpC DNA複合体を腫瘍内投与し、その24時間後に、1日3回、連続3日近赤外線を1min-on-1min-offで腫瘍に照射し、腫瘍内のHSP-70の産生量を測定した。その結果、近赤外線を照射していない5%デキストロース投与群、naked CpG DNA投与群やCNT/CpG DNA複合体投与群の腫瘍内HSP-70の産生はわずかであった。また、近赤外線を照射した群の中でも、5%デキストロース投与群やnaked CpG DNA投与群の腫瘍内HSP-70の産生はわずかに対して、CNT/CpG DNA複合体投与群や免疫活性化能を有しないCNT/GpC DNA複合体投与群の腫瘍内HSP-70の産生は、有意に上昇した。この結果より、CNTの複合体を腫瘍内投与し、近赤外線照射することで、CNTの体内での光線温熱効果が認められた。さらに、CpG DNAは免疫活性化能を有しており、CNTは細胞取り込みを促進すると報告されており、CpG DNAとCNTを複合体化させることで、免疫活性化作用が増大する可能性があると考えられる。そこで、CNT/GpC DNA複合体腫瘍内投与後、または近赤外線照射後の免疫活性化作用について検討した。最初に、担癌マウスにCNT/CpG DNA複合体を腫瘍内投与後、血中または腫瘍内の炎症性サイトカイン産生の評価を行った。CNT/CpG DNA複合体投与後、血中及び腫瘍内のTNF-αやIL-6濃度は、naked CpG DNA投与群と比べて、有意に上昇した。しかし、CNT/CpG DNA複合体投与+近赤外線照射によるin vivoでの免疫活性化作用に関しては、近赤外線照射群と照射していない群の炎症性サイトカイン産生量は同程度であった。 以上の結果により、CNT/CpG DNA複合体は、光線温熱効果と免疫活性作用両方を併せ持ち、効率的な抗腫瘍効果が得られた。
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