研究課題/領域番号 |
11J02864
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
白川 俊之 同志社大学, 社会学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2011 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
800千円 (直接経費: 800千円)
2012年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2011年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
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キーワード | 社会階級・階層 / 教育機会の不平等 / SSM・JGSS / 教育システム / 産業化 / マルチレベル分析 / 階級・階層 / 社会的不平等 / 教育 / 合理的選択 / トラッキング / 社会変動 |
研究概要 |
研究計画にもとづき、日本における教育機会の不平等の趨勢を分析した。 教育機会の不平等の大まかなトレンドとして、出身階級による中等教育機会の不平等が長期的に漸減していることが明らかになった。機会の不平等の減少は、中等教育への進学/非進学を比較する場合のオッズに対する出身階級の効果より、進学学科の選択に対する出身階級の効果の低下の方が顕著であることが明らかとなった。また高等教育の機会の不平等は単純な拡大・縮小といった変化をしていなかった。 高等教育の機会の不平等は、本人と父親の学歴の関係からさらに分析を進めた。親が特定の学校段階への移行(例:初等教育から中等教育への移行)を経験していると子は、同じ学校段階への移行に成功しやすい傾向が認められた。さらに親の移行経験と子の移行の成否との関係は、旧制の教育世代で弱く、新制の教育世代で強いことが判明した。ここから、親子間での教育移項の関係としてとらえることができる機会の不平等が、しだいに強まってきたことが分かる。 さらに教育機会の不平等を、マクロな社会環境との関係から吟味した。父職と父学歴が本人の教育機会に及ぼす影響は、本人が所属するコーホート・地域の中等教育進学率や産業化のレベルと相関関係をもつことが新たに発見された。中等教育進学率と産業化の度合いは、教育達成に対する父職の効果とは負の、父学歴の効果とは正の相関関係をもち、教育機会の不平等が複雑に変化する様子をとらえることに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初に計画していた分析はおおむね済ませることができた。未着手の課題がすこし残っているが、分析方法とデータの目途は立ち、研究計画はほぼ遂行し終えていると評価することができる。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画を変更する予定はない。すでに得られている知見は学会大会で報告しているが、それらの成果を個別の論文として発表すると同時に、博士論文としてまとめ上げることが今後の課題である。
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