研究課題/領域番号 |
11J02887
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
実験心理学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
上野 将敬 大阪大学, 人間科学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2011 – 2013
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研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2013年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2012年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | ニホンザル / 毛づくろい / 社会関係 / 葛藤解決行動 / 親和行動 |
研究概要 |
葛藤解決行動は、動物が社会的文脈において発揮する認知能力(社会的知性)を明らかにする上で、非常に興味深い研究対象である。対立する2者間で、目的を調和させ、争いをうまく調整する行動は、ヒトを含む社会的動物において、普遍的に存在し、多くの類似性を持つ。そこで本研究では、ニホンザルを対象として、協力的関係を築くための、葛藤解決メカニズムを明らかにすることを目指す。 ニホンザルは、気温が低くなると2個体以上の個体がお互いの胴体を接触させてハドルを形成して暖を取る(Hanya et al. 2007)。一方の個体がハドル形成を望んでいるときに、もう一方の個体も同じくハドル形成を望んでいるとは限らない。そこで本研究では、昨年度勝山ニホンザル集団(岡山県真庭市)を観察して得られたデータを分析して、ニホンザルが、成体メスに毛づくろいを行うことによって、個体間の葛藤を少なくしてハドル形成という利益を得ているのかどうかを検討した。 成体メス同士でハドルを形成するときには、毛づくろい交渉後にハドルを形成することが多かった。そして、成体メス同士でハドルを形成するときには、毛づくろいを行い、そして相手からお返しの毛づくろいを受けていない時に、ハドルを形成することが多くなっていた。以上の結果から、ニホンザルがけつくろいによって葛藤を解決し、ハドル形成という利益を得ていたことが示された。この研究成果は、ハドル形成に伴う葛藤をどのように解決しているのかを示した初めての研究である。
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今後の研究の推進方策 |
(抄録なし)
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