研究課題/領域番号 |
11J03283
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
幾何学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
熊谷 亘 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2011 – 2013
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研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2013年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2012年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | エンタングルメント / エンタングルメント抽出 / LOCC / 非可逆性 / エンタングルメント希釈 / 量子報理論 / 量子仮説検定 / 量子ガウス状態 / 複合仮説 / 二次漸近論 / 乱数生成 / 量子情報理論 / LOCC変換 / Fisher計量 / 最小分散不偏推定量 / Hunt-Steinの定理 / Cramer-Rao不等式 |
研究概要 |
量子系の統計的及び情報理論的解析をする上で、エンタングルメントと呼ばれる量子系特有の相関は重要な役割を果たす。今年度はエンタングルメントに着目し研究を進めた。 量子情報理論において、特定のエンタンク"ルト"状態を応用することにより今まて"は実現て"きなかった情報通信か"可能になることか"知られている。上記の有用な情報通信を実現するために、情報通信を行う遠く離れた二者間て"特定のエンタンク"ルト"状態を準備しておくことか"必要になる。そのための基本的な方法としてエンタングルメント抽出が挙げられる。エンタングルメント抽出は様々な量子プロトコルを行う上での土台となる量子操作であり、以前までは量子情報理論の研究者の間ではエンタングルメント抽出か"可逆な操作であると信し"られていた。しかし、エンタングルメント抽出の可逆性は量子系の情報理論の論文や教科書にも述へ"られているにもかかわらず、厳密な証明は与えられていなかった。 上記の研究背景を踏まえ、エンタングルメント抽出が可逆かどうかを明らかにするために、エンタングルメント抽出とその復元操作の組を厳密に定義し、それらの操作に対してそれぞれ定まる誤差に着目した。そしてそのようにして定義された各操作の誤差の間の非常に簡潔なトレードオフ関係を導出した。それによって、エンタングルメント抽出が成功するならば、その復元操作が完全に失敗することを定量的に導出した。すなわち報告者はエンタングルメント抽出は非可逆て"必す"エンタングルメントの損失をもたらすことを示した。これにより今まで信じられてきた結論が誤りであることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度に示したエンタングルメント抽出に対する研究を通じ、量子的な操作の精度を定量的に扱う上で重要な視点を獲得できた。これはエンタングルメント抽出に限らず様々な量子的操作の精度解析に役に立つと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究では、量子系における操作の漸近的な振る舞いを主に解析してきた。一方で、得られるデータや、実際に行える操作は有限のリソースの範囲内に限られる。このような背景で量子系の統計学および情報理論において、有限長のデータに対する解析の重要性が高まっている。従ってこれまでの研究をより推し進めることで、今までに得られた量子的な操作に対する精度評価をより厳密にしていくことは今後の重要な課題である。
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