研究課題/領域番号 |
11J03724
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
熱工学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
清水 信 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2011 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2012年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 熱輻射 / 金属自己組織化 / 周期的微細構造 / フォトニック結晶 / 太陽光選択吸収材料 |
研究概要 |
本研究の目的はエネルギーシステムの高効率化を目的とした熱輻射スペクトル制御デバイスのためのバルク耐熱金属における周期的微細構造大面積作製技術の確立である。耐熱金属は加工が難しく、既存の微細構造作製技術では大面積作製が難しい。それに代用し得る大面積作製技術として、本研究では金属の自己組織化を用いたバルク3次元フォトニック結晶の作製に関する基盤技術に関して研究を行ってきた。 最終年度の研究計画は組織形態のコントロールによる3次元構造の作製および研究成果のまとめとなる学位論文の執筆である。3次元構造作製のためには深さ方向へのエッチングと構造不均一性の解消という二つの課題を解決する必要があった。深さ方向へエッチングを進めるためには異方性エッチングが必要であり、今回はウェットエッチングとFAB加工を組み合わせてエッチングを行った。具体的にはウェットエッチングで表面に2次元周期的微細構造を作製した後、FAB加工によって構造の床部分をエッチングし、さらに2層目をウェットエッチングするという方法で加工を行った。その結果、表層だけではなく、2層目以降も選択的にエッチングが可能であることが示唆された。この加工を精度良く行うためには分離組織の均一性が重要であると考えられる。自己組織化による2層分離組織を利用するため、半導体作製プロセス等によって作製された構造と比較すると、構造サイズ、分布のばらつきが生じてしまうが、数値計算によりそれらの標準偏差を求め、熱処理条件を変化させることで均一化を行った。その結果、時効熱処理を2回行うことで構造サイズの不均一性が抑制され理論値と同等のものが得られるという結果が示唆された。以上、得られた結果はバルク金属3次元フォトニック結晶作製法の基盤技術として重要な成果である。この技術を用いることでエネルギーシステムの高効率化に向けた多様な熱輸送の制御方法が達成できると考えている。
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