研究課題/領域番号 |
11J03948
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
生体関連化学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
栂 達也 大阪大学, 基礎工学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2011 – 2013
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研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2013年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2012年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | ヌクレオチド除去修復 / 色素性乾皮症 / 紫外線DNA損傷 |
研究概要 |
本研究はヒトのヌクレオチド除去修復機構(NER)を、蛍光を利用し検出する分子センサーの創製を目的としている。NERは紫外線により生じる「紫外線DNA損傷」などの比較的構造変化の大きいDNA損傷を修復する役割を担っている。このNERが欠損した遺伝性疾患として色素性乾皮症(XP)が知られており、日光を浴びると高頻度に皮膚がんを発症するといった病態を呈する。従ってXP患者を早期に発見し、紫外線への曝露を防ぐことは大変重要である。本分子センサーは、XP診断への応用が可能であると考えられるため、XP患者早期発見への貢献が期待される。 センサーは紫外線損傷を含む2本鎖DNAに蛍光分子と消光分子を取り付けたもので、NERが起こると蛍光分子を含む鎖が解離して蛍光が発せられる。前年度まで試作していたものは直鎖2本鎖DNAを基本骨格としており、これがNERの基質となることが示された。しかしシグナルノイズ比が悪く、さまざまな改善を試みたが実用には至らなかった。この型に対し、本年度には新たに環状型センサーを試作した。直鎖型に対する利点として、その安定性とNER効率の向上を狙ったものである。この環状型センサーの調製に成功し、HeLa細胞抽出液を用いてこれがNERの基質となることを示した。そしてHeLa細胞への導入を行ったところ、センサー中の損傷の存在に依存した蛍光が検出された。またXP-A患者細胞ならびにこの細胞にXPAを相補した細胞に対し同様にセンサーの導入を行ったところ、細胞のNER活性が正常な場合にのみ蛍光が検出された。つまりこれらの実験から、センサーが損傷依存的かつNER依存的に蛍光を発する機能があることが示された。意図した機能を有するセンサーを得ることが出来たため、当初の目的通り、今後はXP患者の診断への実用に向け、必要に応じて分子構造の調製を行っていく必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
(抄録なし)
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