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イカ類における視覚的コミュニケーションを介した群れの維持機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 11J04156
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 水産学一般
研究機関琉球大学

研究代表者

杉本 親要  琉球大学, 理学部, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2011 – 2012
研究課題ステータス 完了 (2012年度)
配分額 *注記
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2012年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
キーワードアオリイカ / 群れ行動 / 視覚特性 / 社会的順位 / ソーシャルネットワーク / コミュニケーション
研究概要

本研究は、アオリイカの資源動態を理解することを最終目標に、本種の視覚によるコミュニケーションと、これを介した群れの維持機構について、飼育観察と野外観察から明らかにすることを目的とした。目的達成のために次の3項目を実施した。(I)群れの隊形維持およびコミュニケーションに関わるアオリイカの視覚能力の解明、(II)アオリイカの群れにおける隊形特性の解明、(III)アオリイカの視覚的コミュニケーションを介した群れ機能の解明。各研究項目を以下に要約する。
(I):アオリイカの視覚特性を調べるため、孵化時から60日齢まで飼育育成したアオリイカについて、網膜の組織学的観察と行動学的観察を行った結果、孵化直後から明瞭な視覚発達が見られることを明らかにした。また、孵化時より、捕食者の映像などの刺激提示時のボディーパターンを観察した結果、成長過程に伴い、表出パターンが多様化する様子が観察された。
(II):アオリイカの群れの隊形特性については、論文として取り纏め、受理された。また、沿岸性アオリイカの群れの隊形特性を、生息域の異なるスルメイカとホタルイカのそれと飼育下で比較した結果、これら2種の群れには、アオリイカの群れのような特徴的な隊形は認められなかった。
(III):アオリイカの群れ構成個体間の関係性や個々の役割と群れサイズとの関係を調べるため、大小規模の群れにソーシャルネットワーク分析を適用して解明を試みた結果、個体数増加に伴い、3,4個体が完全に連結した構造が複数重なるサブグループの数が増加した。また、他個体と多くの関係を持つハブ個体がそれらを連結していた。続いて、群れ内での個体の役割を調べるため、餌生物などに対するハブ個体の反応を、他個体に提示したところ、餌生物を直接見なくても索餌行動を示した。また、それらの個体は、断続的に体色を明滅させていたことから、視覚的コミュニケーションの可能性が示唆された。

報告書

(2件)
  • 2012 実績報告書
  • 2011 実績報告書
  • 研究成果

    (12件)

すべて 2013 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (6件) 図書 (1件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] Observations of schooling behaviour in the oval squid Sepioteuthis lessoniana in costal waters of Okinawa Island2013

    • 著者名/発表者名
      Chikatoshi Sugimoto, Ryoko Yanagisawa,Ryuta Nkajima and Yuzuru Ikeda
    • 雑誌名

      Marine Biodiversity Records

      巻: 6

    • DOI

      10.1017/s1755267213000067

    • 関連する報告書
      2012 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] イカ類にみる社会行動の遺伝的背景解明へ向けた基盤作り2013

    • 著者名/発表者名
      杉本親要、池田譲、井上-村山美穂
    • 雑誌名

      DNA多型

      巻: (印刷中)

    • 関連する報告書
      2012 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Ontogeny of schooling behavior in the oval squid Sepioteuthis lessoniana2012

    • 著者名/発表者名
      Chikatoshi Sugimoto, Yuzuru Ikeda
    • 雑誌名

      Fisheries Science

      巻: 78 号: 2 ページ: 287-294

    • DOI

      10.1007/s12562-011-0464-2

    • 関連する報告書
      2011 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 頭足類の社会性に関する研究-(8)アオリイカの群れの大きさに応じたソーシャルネットワークの構成変異2013

    • 著者名/発表者名
      杉本親要、池田 譲
    • 学会等名
      日本水産学会(平成25年度春期大会)
    • 発表場所
      東京海洋大学
    • 年月日
      2013-03-28
    • 関連する報告書
      2012 実績報告書
  • [学会発表] イカ類にみる社会行動の遺伝的背景解明へ向けた基盤作り2012

    • 著者名/発表者名
      杉本親要、池田譲、井上-村山美穂
    • 学会等名
      日本DNA多型学会(第21回学術集会)
    • 発表場所
      京都教育文化センター
    • 年月日
      2012-11-09
    • 関連する報告書
      2012 実績報告書
  • [学会発表] 頭足類の社会性に関する研究-(6)アオリイカのソーシャルネットワークの頑健性2012

    • 著者名/発表者名
      杉本親要、池田譲
    • 学会等名
      日本水産学会(平成24年度春期大会)
    • 発表場所
      東京海洋大学
    • 年月日
      2012-03-28
    • 関連する報告書
      2011 実績報告書
  • [学会発表] アオリイカの群れ行動の構造と機能2012

    • 著者名/発表者名
      杉本親要
    • 学会等名
      京都大学野生動物研究センターセミナー
    • 発表場所
      京都大学(招待講演)
    • 年月日
      2012-03-01
    • 関連する報告書
      2011 実績報告書
  • [学会発表] アオリイカの群れを形作るソーシャルネットワークの構造特性2012

    • 著者名/発表者名
      杉本親要、池田 譲
    • 学会等名
      日本動物行動学会(第31回大会)
    • 発表場所
      奈良女子大学
    • 関連する報告書
      2012 実績報告書
  • [学会発表] 構成個体の移出入に伴うアオリイカの群れ内ネットワークの変動2011

    • 著者名/発表者名
      杉本親要、池田譲
    • 学会等名
      日本動物行動学会(第30回大会)
    • 発表場所
      慶応義塾大学
    • 年月日
      2011-09-09
    • 関連する報告書
      2011 実績報告書
  • [図書] 月刊ダイバー、「海のシンクロチーム、アオリイカ」2012

    • 著者名/発表者名
      中野理枝( [監修] 杉本親要)
    • 総ページ数
      1
    • 出版者
      株式会社ダイバー
    • 関連する報告書
      2012 実績報告書
  • [備考] 琉球大学池田研究室ホームページ

    • URL

      http://w3.u-ryukyu.ac.jp/ceph_lab/

    • 関連する報告書
      2012 実績報告書
  • [備考] 琉球大学池田研究室ホームページ

    • URL

      http://w3.u-ryukyu.ac.jp/ceph_lab/

    • 関連する報告書
      2011 実績報告書

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公開日: 2011-12-12   更新日: 2024-03-26  

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