研究課題/領域番号 |
11J04447
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
代田 悠一郎 東京大学, 医学部附属病院, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2011 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2012年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 経頭蓋磁気刺激(TMS) / 一次運動野 / 補足運動野 / 誘導誘発電位(MEP) / 運動誘発電位(MEP) |
研究概要 |
今年度は、経頭蓋磁気刺激(TMS)によって得られる筋電図反応(MEP)の波形解析を行うことにより大脳機能についてより詳細な検討が行える可能性を示した。前年度には、MEPの大きさを主要な評価項目に用いて補足運動野(SMA)と一次運動野(M1)との関連を明らかにしたが、MEPは様々な脳内過程から生じる複合的な反応であるため、MEP形成にかかわる個々の成分に関する情報を得ることが望ましい。本研究では、独立成分分析(ICA)をMEP波形に対してほどこすことで、M1から脊髄を下行する活動に対応する成分が抽出できることを示唆した(第42回日本臨床神経生理学会学術大会において招待講演として発表)。本内容は当初の研究計画では必ずしも明示的に述べていないが、MEPをもちいてTMS研究を行う場合により精密な解析が可能になるという点で画期的と考えている。 さらに、当初計画にあった反応時間課題への影響についても進展が見られた。無意識に生じる運動抑制を調べる反応時間課題において、SMAに病変を有する患者で異常が見られるとの報告がある。本研究では、SMAに対するrTMS前後にこの反応時間課題を行うことで、SMAに対する介入が本当に反応時間を変化させるかを調べた。その結果、あるパターンのrTMS後にはSMAに病巣を有する患者の場合と同様の変化が生じることが示唆された。本内容は海外学会(5th International Conference on Non-invasive Brain Stimulation 2013)において発表した。 以上、当初計画から派生した研究において重要な知見が得られたと同時に、当初計画についても学会発表を行えるレベルのデータが得られるなど、順調に研究が進展した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定した計画からのスピンオフとして、TMS-MEP実験系における重要な解析手法となりうる方法を開発したため。また、当初予定についても過去の病巣研究を裏付ける形でrTMSの効果を示唆することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
反復TMSが反応時間に与える影響については、過去の病巣研究を裏付ける結果が得られており、今後は論文発表につなげると同時に、反応時間課題遂行中にTMSを施すことでどのような結果が得られるかなど、さらに詳細な検討を行う予定としている。 実際の治療応用を見据えた臨床研究についても関与を深めてゆきたい。
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