研究課題/領域番号 |
11J04841
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
超高層物理学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
荻原 正博 名古屋大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2011 – 2013
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研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2013年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2012年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2011年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 惑星系形成 / 数値シミュレーション / 天体力学 / 衛星系形成 |
研究概要 |
系外惑星観測によって、系外惑星系の特徴が明らかになってきている。重要な特徴として、「低質量惑星が複数存在する多重惑星系は数多く発見されている」「ホットジュピター(HJ)は多重惑星系には殆ど発見されない」がある。これらの特徴は、HJの存在が多重惑星系の形成に何らかの影響を及ぼす可能性があることを示唆していることから、HJ存在下での地球型惑星の形成過程を明らかにすることを目的に、惑星形成N体計算を行った。数値計算の初期条件として、中心星から0.05AUの位置に木星質量のHJを、その外側に微惑星や原始惑星を配置し、それらの軌道進化と合体成長を惑星形成が完了するまでおよそ1千万年間追った。 数値計算の結果、「HJの外側の軌道で効率的に地球型惑星が形成すること」「その地球型惑星はHJと重力的に相互作用を起こし、HJの軌道を内側へ押し出すこと」「HJは恒星と衝突して恒星に飲み込まれ、最終的には地球型惑星のみが残ること」を発見した。上記の「地球型惑星がHJを押し出す」現象はこれまでの研究では確認されていない新しい物理メカニズムであり、これを我々は"crowding-out"と命名した。以上が典型的なパラメータで行った数値計算結果であるが、円盤ガスの量や初期の固体物質量を10倍程度少なくして数値計算を行った場合、地球型惑星は十分な大きさまで成長せず、crowding-outの効果は弱いことがわかった。このとき、最終的にはHJと火星サイズ以下の小さな地球型惑星が共存して形成する。 以上の計算結果は、系外惑星の観測的特徴を自然に説明することが可能である。つまり、HJの外側に地球型惑星が形成した場合にはHJはcrowding-outにより恒星と衝突する為、残った地球型惑星のみが観測される。一方、crowding-outの効果が弱い場合には、HJと火星サイズ以下の小さな地球型惑星が共存するが、この場合、現在の観測技術では小さな地球型惑星を観測することが困難であり、HJのみが観測されることになる。
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今後の研究の推進方策 |
(抄録なし)
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