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教育支援センター(適応指導教室)の社会学--排除/包摂の構築過程

研究課題

研究課題/領域番号 11J04983
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 教育社会学
研究機関一橋大学

研究代表者

樋口 くみ子  一橋大学, 大学院・社会学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2011 – 2012
研究課題ステータス 完了 (2012年度)
配分額 *注記
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2012年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
キーワード不登校 / 包摂/排除 / 接続 / 遊び・非行 / オルタナティヴ / 教育支援センター / オルタナティブ
研究概要

本研究の目的は公教育制度のオルタナティヴな存在に位置づけられ、公教育制度から排除された子ども達を包摂する処方箋として捉えられてきた学外施設を、特に適応指導教室の実態面から検証し、その排除構造を解き明かす中で今後の包摂可能性を模索していくことにある。この目的のもと平成24年度は以下の課題に取り組んだ。
【(1)適応指導教室の活動内容と排除プロセスの関係の解明】平成23年度に実施した660適応指導教室対象の質問紙調査の報告書を作成し、分析結果を日本教育社会学会で発表した。報告では適応指導教室が「心の居場所」および「学校復帰」に加え、「心の居場所から学校復帰」、「心の居場所から進学就職」という段階的な支援目標を持ち、制度上から推察される姿とは大きく異なる特徴が浮かび上がった。更に考察を深めた結果、「心の居場所」支援はあらゆるものにく受容と共感〉するわけではなく、「学校復帰」支援は「心の居場所」支援と対照的な特徴をもつわけではない点も明らかになった。この点が適応指導教室に「非行」系の不登校の子どもを包摂する上で課題となっていることが示唆された。
【(2)不登校・適応指導教室政策の動向把握、(3)NPO法人への運営委託動向把握】平成23年度の研究から(2)と(3)を把握する上では、民間施設での「非行」系の不登校生徒の死亡事件(風の子学園事件)に着目する必要があることが判明した。そこで「風の子学園事件」に関する新聞記事とミニコミ誌のドキュメント分析を行った。その結果、「非行」に関する民間団体のクレイム申し立ての記事を減らす一方で、学校に行かない不登校の存在を「選択」として肯定的に取り上げていったメディアの存在が浮かび上がってきた。ここで明らかになったのは、(2)と(3)の課題を超えて共通する、不登校概念上の排除の問題であり、この研究成果を予定通り日本社会病理学会にて発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

本研究の目的は、適応指導教室の排除構造を解き明かす中で今後の包摂可能性を模索することにある。平成24年度の研究では、第一に適応指導教室の「心の居場所」支援の特質が「非行」系の不登校の子どもを包摂する上で課題となっていることが、第二に不登校概念上で「非行」系の子どもが排除されてきたことが浮かび上がり、包摂可能性の所在を特定したことで、本研究の目的を達成できたといえる。

今後の研究の推進方策

本研究課題の遂行により、「非行」系の不登校の子どもの包摂可能性は、ひとつには適応指導教室の「心の居場所」支援がいかなるものであるのか、その実態を把握し、改善していく点にあることが分かった。この点については、平成23年度に実施した量的調査で明らかになった四類型(「心の居場所」、「学校復帰」、「心の居場所から学校復帰」、「心の居場所から進学就職」)の適応指導教室への訪問調査を通して、今後明らかにしていきたい。

報告書

(2件)
  • 2012 実績報告書
  • 2011 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 教育支援センター(適応指導教室)の排除過程-クレームが顕在化しないメカニズム2011

    • 著者名/発表者名
      樋口くみ子
    • 雑誌名

      ソシオロゴス

      巻: 35 ページ: 93-110

    • NAID

      40019978183

    • 関連する報告書
      2011 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 不登校支援と進学・就業をめぐる諸問題――『居場所』『接続型』の教育支援センター間比較から2012

    • 著者名/発表者名
      樋口くみ子
    • 学会等名
      日本教育社会学会第64回大会
    • 発表場所
      同志社大学
    • 年月日
      2012-10-27
    • 関連する報告書
      2012 実績報告書
  • [学会発表] 周縁化される『非行』系の不登校――風の子学園事件をめぐる運動・行政対応を中心に2012

    • 著者名/発表者名
      樋口くみ子
    • 学会等名
      日本社会病理学会第28回大会
    • 発表場所
      大阪市立大学
    • 年月日
      2012-09-29
    • 関連する報告書
      2012 実績報告書

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公開日: 2011-12-12   更新日: 2024-03-26  

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