研究課題/領域番号 |
11J05091
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
合成化学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
仲辻 秀文 名古屋大学, 工学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2011 – 2013
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研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2013年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2012年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2011年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | ヨードラクトン化 / エナンチオ選択的 / 求核性触媒 / 亜リン酸トリエステル / ヨードラクトン化反応 / ヨウ素 |
研究概要 |
現在の有機合成において重要な課題である不斉ハロ環化反応に取り組んでいる。既に、当研究室では、キラル求核性ホスホロアミダイトを促進剤とする鎖状ポリプレノイドのエナンチオ選択的ヨード環化反応の開発に成功しているが、本反応は、等モル量以上のホスホロアミダイト促進剤が必要であり、反応の触媒化が出来ず、またこの触媒は長期保存が困難で、再現性にも問題があった。そこで、昨年度に触媒的不斉ヨウ素化の実現を目指し、安定で長期保存可能なキラル亜リン酸トリエステルを基本骨格とする新規求核触媒の精密設計を行い、不斉ヨードラクトン化へ展開した。その中で、ハロゲン化剤としてI_2を用い、活性化剤としてN-クロロフタルイミド(NCP)を用いることで、エナンチオ選択性は低下することなく反応性が向上するという興味深い知見を見出した。 そこで、今年度、低温でのNMR測定実験による詳細な反応機構の解明を行なった。その結果、亜リン酸トリエステルが酸化されたリン酸トリエステルが真の触媒であることを見出した。そこで、亜リン酸エステルより安定で再利用も可能なリン酸エステルを基本骨格とする触媒の精密設計を行った。3,3'位にトリフェニルシリル基を持つBINOLのフェノール部分の2,6位にイソブチル基を有する触媒を用いることでヨードラクトン化反応が93%のエナンチオ選択性で進行することが分かった。また、I_2の当量を0.5当量まで削減できるなど興味深い知見も見出した。得られた生成物を生物活性物質の鍵中間体へ誘導することにも成功した。さらに、Raman測定によってNCPがルイス酸としてI_2を活性化している実験的証拠も得ることに成功した。今後の更なる展開が期待できる。なお、これらの成果を第30回有機合成化学セミナーならびに第94回日本化学会春季大会で口頭発表し、第30回有機合成化学セミナーではポスター賞を受賞している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
計画通り進み、本実験結果を国際雑誌Angewandte Chem. Int. Ed.に投稿すことが出来た。また詳細な反応機構を調査するため、NMR測定実験を行なった結果、真の触媒が亜リン酸エステルではなく、リン酸エステルであるという科学的に興味深い知見を得た。リン酸エステルは、非常に安定で再利用も可能であるため、亜リン酸エステルを用いた場合と比べて、有用な反応系となった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の研究で、キラルリン酸エステル触媒を用いたエナンチオ選択的ヨードラクトン化反応の開発を行い、触媒量のキラル亜リン酸トリアリールエステルの存在下、I_2によるヨードラクトン化反応が93%のエナンチオ選択性で触媒的に促進されることが分かった。今後は、類型の不斉ヨードエーテル環化反応など別のヨード環化反応を検討していく予定である。さらに不斉ヨードポリエン環化反応へと応用していきたい。
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