研究課題/領域番号 |
11J05113
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
植物分子生物・生理学
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
広瀬 侑 豊橋技術科学大学, エレクトロニクス先端融合研究所, 特任助教
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研究期間 (年度) |
2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
800千円 (直接経費: 800千円)
2011年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | フィトクロム / フィコビリソーム / シアノバクテリオクロム / テトラピロール / 補色順化 / 次世代DNAシークエンサー |
研究概要 |
一部のシアノバクテリアは、緑色光と赤色光に応答して光合成アンテナ量を調節することが知られている。この現象は、補色順化(Complememary chromatic acclimation)と呼ばれている。近年、補色順化の分子機構の解析が進み、緑色光と赤色光を受容するフィトクロム型の光受容体(シアノバクテリオクロム)が、それぞれの色の光を吸収するアンテナ遺伝子を発現制御することが示された。本研究では、この分子機構の普遍性を検証するため、補色順化能を持つ野外のシアノバクテリア種の収集とそのゲノム解析を実施した。約30種の補色順化能株の中から、単細胞性種を2種、糸状性種を2種、これらを高速DNAシークエンサーRoche 454 FLX+にてゲノム解析を行った。化学的なDNA抽出法を用いる事で最頻リード長約800-850bp、全データ量780Mbpという良質なデータが得られた。ゲノムサイズは単細胞性種が約4Mbp、糸状性種が約8Mbpであり、1種あたり約200コンティグの配列情報が得られた。これらの種の遺伝子情報を解析したところ,いずれの種でも緑色光/赤色光変換型のシアノバクテリオクロムが見つかり、これまでのモデルの普遍性が示された。一方で、シアノバクテリオクロムに制御されることが予想されるアンテナ遺伝子セットには種間に違いが認められた。これまでに補色順化は2種類しか存在しないと考えられていたが、実際はもっと細かい多様性が存在することが強く示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
シアノバクテリア種の収集と、高速シークエンサーを用いたゲノム解析、遺伝子の解析まで一通り行う事ができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後はさらに補色順化株を収集し、同様にゲノム解析を進め、補色順化の分子機構の多様性を明らかにしていきたい。
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