研究課題/領域番号 |
11J05191
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
特別支援教育
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小川 詩乃 京都大学, 霊長類研究所, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2011 – 2013
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研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2013年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2012年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 発逮障害 / 支援 / 読み書き困難 / 物語理解 / 学習障害 / 広汎性発達障害 / 注意欠陥/多動性障害 / 発達障害 / 音韻意識 / 音韻処理 / 視知覚 / 運筆 |
研究概要 |
40名程度の発達障害の子どもを対象に、個々の発達障害の子どもの個々の特徽に合わせた支援を行った。また支援を通してラポールを形成し、その関係をベースに共同研究者らと実験的な基礎研究を行った。基礎研究の実施に伴い、研究協力者の人数を増やすと共に、一名あたりの支援頻度を少しずつ減らしてきた。子どもへの支援では「苦手なことができるようになる場、保護者以外にほめてもらえる場」だけではなく「悩みを共有し対策を一緒に考える/方法を提案することにより、子ども自身が工夫できるようになる」ことを目指した指導を意識するようになった。一部の保護者から、子どもが家庭や学校で自分自身で工夫を行うようになったとの報告を受けている。保護者とは「困っていることを共有し、家庭や学校でできる対策を一緒に考える」ことを意識してきた。アンケートの結果から、保護者の意識としても、少しずつ"支援を受ける場"から"子どもへの対応を一緒に考える場"に変化しているように感じている。 また読み書き障害の認知機能の評価を確立することを目的とし、ストループ効果による視覚単語認識テストの開発を試み、成人を対象として検討した。本実験では、単語条件の他に、偽単語条件(単語の間の文字が入れ替わっている文字列の条件)を設定した。実験の結果、ひらがな及び英語において、偽単語のストループ課題は、単語と同程度のストループ効果を示した。偽単語も単語と同じように認識され、単語の名前と色が干渉を起こしたと考えられる。これにより、本テストは視覚単語認識の評価として活用できる可能性が示唆された。 さらに前年度までに行ってきた「日本語の読み書き困難の特性とその個人差」の研究、および「かなの読み書き入門教材の開発と学校現場における導入」の研究について、海外における国際学会にて発表し、多くの研究者と意見交流・議論を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
・発達障害の子どもを対象とした継続した支援活動を行うことができた。 ・ストループ効果による視覚単語認識テストを開発することができた。 ・共同研究者と行った研究成果の一部が国際誌に掲載された。 ・成果の一部は国際誌に投稿中であり、他の内容についても国際誌に投稿する準備を進めている。 ・アウトリーチ活動(研究会開催等)を行った。
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今後の研究の推進方策 |
・引き続ぎ発達障害の子ども一を対象とした継続した支援活動を行う。 ・ストループ効果による視覚単語認識テストを用いて、児童期における視覚単語認識の発達の検討や、読み書き障害の評価を行う。 ・これまでの成果をまとめ、学会発表や専門誌への投稿を行い、またアウトリーチ活動を積極的に行う ・今後も多様な視点を取り入れて、継続的な支援を実施するとともに、発達障害の実態に即した研究を展開していきたい。
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