研究課題/領域番号 |
11J05218
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
核融合学
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研究機関 | 核融合科学研究所 |
研究代表者 |
西村 征也 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2011 – 2014-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2013年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2012年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2011年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | ヘリカルプラズマ / 共鳴磁場摂動 / アルフベン固有モード / 高エネルギーイオン / 大域的シミュレーション |
研究概要 |
本研究では、磁場閉じ込め核融合プラズマにおける多種の不安定性の混在する状態について理論解析および数値シミュレーションを行い、得られた結果を核融合科学研究所のヘリカルプラズマ実験装置Large Helical Device (LHD)における実験計測と直接比較することにより、複雑なプラズマ乱流現象の一端を解明することを目的とする。平成25年度は以下の2つの研究に取り組んだ。 (1)共鳴磁場摂動(RMP)印可時のプラズマの応答に関する理論と実験の比較 一昨年度および昨年度の研究において、RMPによる磁気島に関するプラズマフローを含む理論をヘリカルプラズマ特有の磁力線曲率の効果を含むモデルへと拡張し、これを数値的に解くためのコードを開発した。本年度は、理論予測および数値シミュレーション結果をLHDにおける計測データと直揺比較した。特に、磁気島がフローの効果で消滅する過程において、磁気島の位相角の変化を磁場揺動の位相角の変化へと変換することで、LHDの磁気計測データがよく再現されることが示された。 (2)高エネルギーイオンによって駆動されるMHDモード 昨年度の研究に引き続き、MEGAコードを用いてLHDにおける高エネルギーイオンによって駆動されるトロイダルアルフベン固有モード(TAE)のシミュレーションを行った。本年度は、非線形段階におけるTAEと高速エネルギーイオンの間のエネルギー交換について詳細な解析を行った。 また、本年度はLHDにおいて昨年度に観測された魚骨型振動を記述するための理論モデルの導出に着手した。捕捉高エネルギーイオンの効果を含むMHDのエネルギー原理を導出した。ヘリカル系においては背景磁場がリップル構造を持つために波-粒子共鳴条件が拡張され、捕捉高エネルギーイオンのドリフト速度とは異なる位相速度を持つMHDモードが不安定化されうることが新たに見いだされた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
共鳴磁場摂動に関する研究については、理論解析および数値シミュレーションと実験計測との直接比較を行い、理論モデルの妥当性を検証することができた。アルフベン固有モード(TAE)に関する研究についても、TAEと高エネルギーイオンの非線形的なエネルギー交換について詳細な解析を行い、まとまった結果が得られた。さらに、MHDモードと捕捉高エネルギーイオンのエネルギー原理のモデルの構築が順調に進み、モデルが完成の域に達した。以上より、本研究は順調に進展したと言える。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題においては、共鳴磁場摂動および高エネルギーイオンがMHDモードに与える影響について詳細に調べ、これらの結果を大型ヘリカル装置における計測データと比較し、多くの成果が得られた。今後もこの方法論に基づいた研究を推進することにより、さらなる成果が得られると期待される。
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