研究課題/領域番号 |
11J05238
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
日本文学
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
雲岡 梓 関西学院大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2011 – 2013
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研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2013年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2012年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2011年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
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キーワード | 『荒木田麗女連歌発句評』 / 伊勢神宮神の連歌 / 連歌指導 / 国学 / 『野中の清水』 / 本居宣長 / 論争 / 『居宣長慶徳麗女難陳』 / 『真字古今集をあげつろひし詞』 / 龍草廬 / 賀茂真淵 / 擬古物語 / 『本居宣長慶徳麗女難陳』 / 連歌 / 『麗女独吟千句』 / 豊宮崎文庫 / 西山昌林 / 里村昌迪 / 王朝物語 / 古典 |
研究概要 |
本年度は第一に、荒木田麗女の連歌活動について分析した。連歌資料『荒木田麗女連歌発句評』を用いて、麗女が地元伊勢の連衆に行っていた連歌指導について考察した。本書において、麗女は古歌や『源氏物語』、『伊勢物語』等の古典作品を下敷きにした作句を勧めながらも、典拠の影響を受け過ぎ、本歌・本説に使用される言葉ばかりを使用して一句を構成することは良くないと戒めている。また、発句と平句との詠み方の違いや、千句連歌の発句と百韻連歌の発句の詠み方の違い、切字等について自身の見解を述べている。これらから、麗女が発句の規定や、差合等、連歌式目に関する知識を豊富に有していたことが窺える。こうして得られた結果をもとに、俳文学会第65回全国大会において、「近世期における伊勢神宮神官の連歌―荒木田麗女の連歌指導から―」との題目で発表を行った。 第二に、麗女の国学の分野に関して研究を行った。麗女は自作の擬古物語『野中の清水』をめぐって、安永年間に国学者本居宣長と論争を行っている。麗女と宣長は、古典文法や言葉の雅俗の相違、また、擬古物語に漢詩を引用することの是非等について論を戦わせた。そこで宣長の『野中の清水添削』と宣長に対する麗女の反論書『本居宣長慶徳麗女難陳』を対照し、論争内容を分析した。その結果、両者の論争は文章表現上の些末な問題に始終するかに見えるが、根本的な論争原因は、両者の和文創作の方法と学問観の相違であると判明した。以上から、麗女と宣長の論争を通して、近世中後期の国学者が和文を執筆する際に、どのような文体を模索していたのか、その課程について明らかにすることができた。 こうして得られた結果をもとに、論文「荒木田麗女と本居宣長―『野中の清水』論争をめぐって―」をまとめ、『近世文芸』第99号に投稿し、掲載された。
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今後の研究の推進方策 |
(抄録なし)
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