研究課題/領域番号 |
11J05304
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
國松 淳 北海道大学, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2011 – 2013-03-31
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研究課題ステータス |
採択後辞退 (2012年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2012年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 大脳基底核 / 眼球運動 / 随意運動 / ドーパミン / タイミング制御 / 霊長類 |
研究概要 |
自発的な運動のタイミングを制御する大脳基底核の役割について研究を行っている。サルに一定の遅延の後に目発的なタイミングでゴールに目を向けることが要求される課題(Self-timed課題)と、運動の開始が課題内で指示される課題(Triggered課題)を訓練した。先行研究かち、自発的な運動の制御には大脳基底核のドーパミン制御系が重要であることが示唆されているが、基底核のどの経路で情報処理が行われているのかについては不明である。そこで、課題中に尾状核にドーパミンD1およびD2受容体の作動薬または拮抗薬を微量注入し、間接経路、直接経路の相対的な信号強度を薬理学的に操作することで、それらの機能を検証した。注入実験に先んじて、尾状核の単一神経細胞の活動を記録したところ、自発的なサッカードに先立って徐々に増加する活動が確認された。この記録部位に、ドーパミンD2受容体の拮抗薬(Eticlopride、n=7)を注入したところ、Triggered課題と比べてSelf-timed課題で大きく反応時間が短縮した。一方で、ドーパミンD1受容体の作動薬(SKF38393、n=4)やドーパミンD1受容体の拮抗薬(SCH23390、n=3)、またはドーパミンD2受容体の作動薬(Quinpirole、n=6)では一貫した結果は得られなかった。これらの結果は、ドーパミンD2受容体が関与している間接経路で自発的な運動のタイミングが調節されていること示している。 本年度では1頭目からデータをほぼ取り終わるまでに至った。神経活動記録の結果の一部は、総説論文で発表している。来年度には、注入実験の結果をまとめて平成24年9月に開催される日本神経科学学会で発表する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、自発的な運動のタイミングを制御する情報処理機構の研究で大きな進展があった。まだ実験数は少ないが、大脳基底核の間接経路が適切な運動のタイミングの調節に関与していることを示すデータを得ている。また、2頭目のサルのトレーニングも完了しており、来年度にはさらにデータを増やすことが期待される。
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今後の研究の推進方策 |
2頭目のサルからデータをとり、すべての実験を完了させる。また、データの解析を進めていく。積極的に国内外の学会で発表を行い、他の研究者からフィードバックをもらうことで研究を深めていく。これらと並行して論文の作成を行う。
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