研究課題/領域番号 |
11J05675
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
武田 朱公 大阪大学, 連合小児発達学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2011 – 2012
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研究課題ステータス |
採択後辞退 (2012年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2012年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2011年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 認知症 / アルツハイマー病 / βアミロイド蛋白 / 糖尿病 / 糖代謝 / 危険因子 / マイクロダイアリシス / 診断方法 |
研究概要 |
本研究課題では、アルツハイマー病(AD)を始めとする中枢神経系疾患が、脳以外の臓器の疾患(身体疾患)とどのように関連し互いに影響し合うかということについて、動物実験や臨床研究を通じて解明していくことを目的としている。最近の疫学研究から、糖尿病などの身体疾患がAD等の認知症のリスクを増加させることが明らかになってきている。こういった身体疾患がいかにして認知症の発病を促進するかを解明することは、今後益々増加することが予想される認知症の予防法や治療法を開発する上で重要である。平成24年度には、前年度から継続してきた糖代謝と血中Aβ濃度の関連に着目した新たなAD診断指標の確立を目的とした臨床研究を遂行し、原著論文として発表した(Takeda et al.Oementia and Geriatric Cognitive Pisorder2012)。この研究では、糖負荷時の血中Aβ値の変動パターンがAD患者とその他の認知症患者では異なっており、その差が簡便な診断的指標として応用できる可能性を示した。この内容は2編の邦文総説としても発表し(武田、日本神経精神薬理学雑誌2012年32巻、武田、Cardiovascular Frontier2012年Vol.3No.5)、1件の学術賞与の受賞があった(平成24年度日本血管性認知症研究会YIA臨床部門優秀賞)。また、前年度に確立した新たな脳内物質測定法(ペプチドマイクロダイアリシス法)を用い、ADマウスの認知機能が抹消組織の炎症によってどのように修飾されるかを解析した。結果、モデルマウスでは血液脳関門の脆弱性により抹消での炎症が中枢神経に波及しやすくなっていることを見出し、原著論文として発表した(Takeda et al.Neurobiology of Aging2013)他、1件の学術賞与の受賞があった(平成24年度日本血管性認知症研究会YIA基礎部門最優秀賞)。前年度より米国研究施設(ハーバード大学医学部・マサチューセッツ総合病院)での研究を開始しているが、前述のペプチドマイクロダイアリシス法を用いた脳内Aβ蛋白の詳細な解析を行い、原著論文として発表した(Takeda et al.FASEB journa12013)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
平成24年度の研究計画に記載し、同年度に投稿までを予定していたアルツハイマー病の新規診断方法の開発に関する臨床研究について、投稿・査読を終え、発表に至った。また、前年度に開発した脳内物質の新規測定手法(ペプチドマイクロダイアリシス法)を応用した研究成果が新たな論文として受理された。よって、当初の計画以上以上に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
「11.現在までの達成度」に記載したごとく、研究は当初の予定計画よりも進展した。(なお、研究代表者(武田)が前年度から開始した海外研究施設(米国ハーバード大学医学部)での研究活動を続行するため、特別研究員PDの職を平成24年度にて途中辞退しており、これに伴い本研究は本年度で終了となる(辞退については報告済)。)
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