研究課題/領域番号 |
11J05749
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
病態検査学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
櫻井 俊宏 北海道大学, 大学院・保健科学院, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2011 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2012年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 酸化リポタンパク質 / モノクローナル抗体 / 酵素免疫学的測定法 / 酵素免疫測定法 |
研究概要 |
我々が獲得したGll-6(抗体)を用いる酵素免疫学的測定法(Gll-6 ELISA)では、穏やかに酸化されたリポタンパク質を検出できる。以前の報告で、血清をゲルろ過HPLCで分離して本ELISAで測定したところ、重度肝疾患患者ではトリグリセリド高含有リポタンパク質の位置に、脂質異常症患者では大型LDLの位置に、健常者では小型LDLの位置にそれぞれピークが出現した。本年度では症例数を増やし、酸化リポタンパク質分布パターンの統計学的解析により確かな結果であることが確認された。 また、メタボリックシンドロームの肝における表現型とされる非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は単純性脂肪肝との鑑別が必須であるが、侵襲的な肝生検が用いられており、非侵襲的で良好な血液マーカーが無いことが問題視されてきた。我々はNASHと単純性脂肪肝をもつ患者において、NASH患者ではトリグリセリド高含有リポタンパク質の位置に、単純性脂肪肝の患者では脂質異常症患者のパターンと同じく、大型LDLの位置にそれぞれ酸化リポタンパク質のピークが観察された。よって、NASHと単純性脂肪肝患者における酸化リポタンパク質分布パターンは、統計学的に異なるという事を見出した。したがって、Gll-6はそれらの疾患の鑑別、病態把握や治療法評価に新知見を与える可能性が示された。 本研究テーマのこれまでの進捗と結果を総括すると、ヒト血液中に存在するTG-rich LDLを認識するモノクローナル抗体Gll-6を得て、穏やかに酸化されたリポタンパク質を簡便に測定するELISAを構築することができた。 Gll-6ELISAは、健常者のsd LDLや高TG血症患者の酸化レムナントの検出、さらには、肝疾患患者の重症度評価や、NASH患者の異常リポタンパク質の検出に貢献できる可能性が示された。
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