研究課題/領域番号 |
11J05776
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
森林科学
|
研究機関 | 独立行政法人森林総合研究所 |
研究代表者 |
藤井 一至 独立行政法人森林総合研究所, 立地環境研究領域, 特別研究員(PD)
|
研究期間 (年度) |
2011 – 2012
|
研究課題ステータス |
採択後辞退 (2012年度)
|
配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2012年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2011年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
|
キーワード | 土壌有機物 / 溶存有機物 / 放射性炭素 / 有機酸 |
研究概要 |
火山大国である日本には有機物の分厚く堆積した「黒ぼく土」が広く分布し、森林土壌への炭素貯留が期待されている。しかし、土壌有機物の蓄積メカニズムには不明な点が多く存在する。火山灰土壌のように高い吸着能を持つ土壌では、有機酸は吸着によって分解されにくい可能性がある。この仮説を検証するため、異なる火山灰土壌を用いて個々の化合物毎の分解・吸着特性を調べ、有機酸の無機化速度に火山灰母材が及ぼす影響を解析した。 岩手県安比(AP)・盛岡(MR)のブナ林、茨城県筑波山(TKB)・桂(KTR)のスギ林から表層土壌(0-5cm)を採取し、培養・吸着試験を行った。クエン酸、リンゴ酸、シュウ酸、酢酸、グルコースについて、^<14>C標識有機酸・グルコース溶液の添加培養試験を行い、^<14>CO_2をアルカリトラップ法で捕集し、無機化速度を求めた。吸着実験では、^<14>C標識有機酸溶液とクロロホルム燻蒸土壌を土液比1::5で混合・振とうし、上澄み液の^<14>C濃度から吸着量を推定した。 有機酸の吸着量は土壌の非晶質A1・Fe量とともに増加し、MR>AP>TKB>KTRの順であった。有機酸の吸着量はクエン酸、シュウ酸、リンゴ酸で高く、酢酸で最も小さかった。AP、TKB、KTR土壌では、クエン酸、シュウ酸、リンゴ酸の無機化速度は低い基質利用効率を反映して酢酸、グルコースよりも高かったが、吸着能の高いMRでは、シュウ酸、リンゴ酸、クエン酸の無機化速度が酢酸、グルコースよりも低かった。火山灰母材に由来する非晶質Al・Fe量を多く含む土壌では、吸着による基質濃度の低下だけでなく、吸着されやすい基質に対する微生物の無機化能の低下を引き起こし、火山灰土壌における有機酸の分解抑制・蓄積に働くことが示された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
14Cを用いたトレーサー試験によって、火山灰土壌における有機酸の分解抑制メカニズムを吸着・微生物活性の両面から解明することができた。その一方で、加速器の不調によって土壌のΔ14C分析が進んでおらず、今後の課題となっている。
|
今後の研究の推進方策 |
過去の黒ぼく土の有機物蓄積メカニズムおよび速度の解析には土壌のΔ14C分析が不可欠であるが、加速器の不調によって進んでいない。今後、土壌のΔ14C分析を進め、過去の黒ぼく土の有機物蓄積メカニズムおよび速度を解析し、長期的な土壌炭素量の変動要因の抽出することで、将来にわたる森林土壌の炭素貯留能を検証する。
|