研究課題/領域番号 |
11J05791
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
応用健康科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
木内 隆裕 京都大学, 医学研究科, 特別研究員DC2
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研究期間 (年度) |
2011 – 2013
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2012年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | リハビリテーション / 運動学習 / 両肢間転移 / 脳磁図 |
研究概要 |
本申請研究の目的は、(a)右上肢の運動訓練により左上肢の運動イメージを改善し、その運動イメージを用いることで左上肢の運動機能向上が得られるか、そして、(b)運動イメージを用いずに(両肢間転移を利用して)、右上肢の運動訓練により左上肢の運動機能向上が得られるかを明らかにし、それらの効果を比較することであった。これらは、一側性に機能障害を呈する、脳卒中片麻痺患者のためのリハビリテーション技術開発につながる。また、侵襲性やコストの問題を回避できるため、大多数のリハビリテーション専門職が利用できる技術となる可能性が高い。 平成24年度は、行動実験で確認した上記(b)の現象について、その神経科学的基盤を明らかにするための神経生理学実験を2つ行った。具体的には、単純な反復運動訓練による運動速度の向上(実験I)と、両肢間転移による運動速度の向上(実験II)との相違を、脳機能の観点から検証する目的で行った。 実験設計上、これらを同じ実験で比較することが困難であったために、2つの実験を行った。脳機能計測には全頭型脳磁図計を用い、脳磁場指標には運動関連脳磁場(MRCF)、および運動関連同期/脱同期(MRD/MRS)を用いた。いずれも若年健常者を対象とし、運動課題は手関節の瞬発的な背屈運動とした。 また、行動のアウトカムは手関節背屈の運動速度とした。 実験Iでは25名を募集し、単純な反復運動訓練によるMRCFおよびMRD/MRSの変化が、運動速度とは有意に相関するが、試行回数とは有意に相関しないことを明らかにした(データ要約中)。 実験IIでは30名を募集し、両肢間転移を利用して左上肢運動機能が改善する場合のMRCFおよびMRD/MRSの変化を検討した。実験は全て完了したが、以下の「11.現在までの達成度」で述べる理由により、現在もデータ解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度の遅れ(脳磁図計を格納している建造物の耐震補強工事や脳磁図計自体の故障があったこと、解析に用いるフィルタの検証作業に予想以上の時間を要したことなどによる)が影響しており、実験データの解析の途中で期間が終了した。
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今後の研究の推進方策 |
本年4月から常勤研究職(助教)として私立大学に着任しており、教育業務と並行して実験データの解析を進める。PCやソフトウェアなどの解析環境は整備済みであり、現在、実験データの解析を進めている。上述した2つの神経生理学実験の結果を比較、統合して、その結果を関連学会や国際学術雑誌で報告する。 問題点としては、教育業務やその他の雑務による時間の制約が挙げられる。これに対しては、所属大学で定められている研修日や、土日祝日を研究活動に割り当てることで対応する。
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