研究課題/領域番号 |
11J05967
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
感性情報学・ソフトコンピューティング
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
高橋 一誠 名古屋市立大学, 大学院芸術工学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2011 – 2013
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研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2013年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2012年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 自動車運転 / 居眠り運転 / 眠気推定 / 生体信号 / 心拍呼吸位相同期 / 心拍変動 / 心電計 / 静電容量電極 / アクティブ電極 / 眠気 / バイオフィードバック / 振動刺激 / 覚醒維持 |
研究概要 |
本研究は、運転者の生体指標(心拍・呼吸)から覚醒度を推定し、覚醒度低下検出時に運転者を最適な運転水準へ誘導するシステムの基礎体系を構築することを目的としている。システムは①覚醒度推定に用いる心拍および呼吸を計測する静電容量センサ、②覚醒度推定アルゴリズム、③覚醒度維持刺激の3つの要素技術から成る。平成25年度に実施した各要素の技術開発の成果を以下に記す。 ①自動車運転時において心電図と呼吸を着衣状態で安定的に計測することを目的とし、本年度は静電容量型アクティブ電極を用いた心電・呼吸センサのプロトタイプを実車に搭載し、直進走行時において安定的に心電図と呼吸を計測できることを確認した。②眠気兆候を捉え易い心拍と呼吸を用い、覚醒度推定アルゴリズムの開発を行った。被験者48名の協力により実施した実験から、運転時の覚醒度低下に観察される心拍と呼吸の特徴を定量化した指標を用いたアルゴリズムにより、覚醒度推定の最も信頼性の高い眼球運動指標よりも早い段階で眠気兆候を捉えることができることを見出した。この成果はInternational Journal of ITS Researchに投稿している。③生理的に眠気を緩和させる手法の開発を目的とし、眠気時の血中酸素飽和度の低下に着目した。被験者16名の実験から、運転者の心拍と呼吸リズム間にCRPS (Cardio-Respiratory Phase Synchronization)を出現させることによって眠気時の頭部酸素量低下を抑えることができることを見出した。このCRPSは運転者の心拍リズムに同期した振動刺激をシート座面から付与することによって導出可能である。これらの成果は、IEEE Transactions on Intelligent Transportation Systemに掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
最終目標としていた覚醒水準維持を可能とする刺激の効果が確認でき、心拍・呼吸のセンサ部の精度も実車搭載試験において実用に堪え得る結果が得られ、当初の計画通り順調に進展したといえる。
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今後の研究の推進方策 |
静電容量電極を用いた心拍呼吸センサが持つ体動および厚着状況による計測精度低下を補完する技術を開発した上で、これらセンサと覚醒度推定アルゴリズム、覚醒度維持刺激の3つの要素技術を統合し、システム全体の評価を行う。
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