研究課題/領域番号 |
11J06022
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
梁 永 京都大学, 工学研究科, 特別研究員DC1
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研究期間 (年度) |
2011 – 2013
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研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2013年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2012年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | フォトニック結晶 / レーザ / 3次元結合波理論 / ビーム出射方向 / 面発光 / 2次元結合波理論 |
研究概要 |
本年度は、ビーム出射方向制御可能なフォトニック結晶レーザの高性能化に向けて、昨年度までに構築してきた3次元結合波理論の高度化を図り、様々なフォトニック結晶構造に対する体系的な解析を行った。フォトニック結晶レーザは2次元周期構造であるフォトニック結晶を共振器として利用している。そのため、フォトニック結晶の格子配列、孔形状や組み合わせた格子の相対的位置などのパラメータが、出射ビームの方向や出力を決定する。また、レーザの発振モードは、面積の増大や、発振閾値以上での動作において、電流注入や誘導放出による不均一なキャリア分布による影響を受ける。そのため、モード間利得差の低下によって多モード化し、意図しない方向へのビーム出射や出力の飽和などをもたらす。そこで、昨年度までに、構築してきた、任意な格子配列と孔形状に対してその動作特性を高速かっ高精度に解析可能な3次元結合波理論に対して、今年度は、大面積動作時や、閾値以上でのモードの安定性や競合などを議論できるように、空間ホールバーニングの影響を取りこむよう理論を拡張した。また、この理論によって得られる解析結果と実験とを比較評価し、拡張した理論は実験をよく説明できていることを確認した。これらの成果は、科学雑誌Apptied Physics Letters, Nature Photonicsなどにおいて発表した。今後、この理論を用いることで、ビーム出射方向を安定かつ自在に制御可能なフォトニック結晶の設計指針が得ることができ、高出力化動作も含めた、体系的な設計が可能になると期待できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画どおり、フォトニック結晶レーザを設計するための3次元結合波理論をさらに大幅に拡張し、自在なビーム出射方向制御に不可欠な単一モード安定性だけでなく、閾値以上でのレーザ発振特性の動的変化の定量的解析をも可能とする理論へと発展させた。さらに、理論と実験双方の検討により、単一モードで安定に動作する高性能高出力デバイスの設計指針を明快に示した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、上記で確立した閾値以上のレーザ理論をさらに発展させ、熱分布の影響を包含したモデルの構築を目指す。さらに、キャリアや熱の不均一な分布による影響を考慮し、様々な格子構造を組み合わせた構造に対する系統的な解析と設計を行い、高出力化や、ビーム出射方向制御の領域を拡げるなど、高性能化を実現していく。これにより、フォトニック結晶レーザ全体としての物理の体系化を行う。
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