研究概要 |
本研究の目的は, 超大自由度あるいは大変形可能な連続体的な材質をロボットの機構に積極的に取り入れるソフト・コンティニュアム・ウェットロボティクスの創成である. 平成25年度には, 「(3)「点」ではなく「面」で外界とインタラクションすることで, アクティブセンシングを時空間的に展開し, リッチなセンサ情報を取得」を実現するために引き続き精力的に研究活動を行った. 動物の運動は, 姿勢制御とリズミックな移動運動(例えば, 這行, 蠕動運動)の組み合わせから成り立っていることに着目し, 3つのアクチュエータのみで, 移動運動(尺取り虫運動とcrawling)かつその方向制御が可能なイモムシ型ソフトロボットを開発した. この研究成果はロボティクスでは最も著名な国際学会であるThe 2014 IEEE International Conference on Robotics and Automation (ICRA 2014)に投稿し, 採択された(採択率48%). これに加えて, そのボディの変形を計測するためのセンサ実装方法を複数案試した. 現在, 成果として報告できるものは, 第26回自律分散システム・シンポジウム(2014年1月23日-24日, 東京大学山上会館で開催)で発表したものである. ここで発表した研究は, ジャイロセンサを用いてイモムシロボットの曲がり具合(曲率)を計測するもので, そのセンサ値を元に昨年度提案した力覚振動子を実装することにより, 自律分散的に移動に必要な身体の変形パターンを生成することに成功したものである, これ以外にも, 形状記憶合金の歪みにより抵抗率が変化する特性を活用したセンシング, コイル状の形状記憶合金のインダクタンスの変化を活用したセンシング, モータのコンプライアンス制御など, ロボットの形状・重さ・使用環境に応じて, 試行錯誤が必要だと思われる.
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