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ヒト主要組織適合複合体の揺らぎと細胞の抗原提示能に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 11J06193
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 生物物理学
研究機関東京大学

研究代表者

岡田 冴子 (谷中 冴子)  東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2011 – 2012
研究課題ステータス 完了 (2012年度)
配分額 *注記
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2012年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
キーワード動的構造変化 / HLA / 低存在比構造 / 安定性 / ヒト主要組織適合複合体 / NMR / 緩和分散法 / 動的構造解析
研究概要

生体防御において重要なHuman Leukocyte Antigen (HLA)は、Cytotoxic T Lymphocyte (CTL)上のレセプター(TCR)に様々な抗原ペプチドを提示し、ペプチド特異的にCTLの感染細胞殺傷能を活性化する。
我々は抗原ペプチドによるHLAの安定性の調節がHLAのCTL活性化能と関連があることを明らかにしてきたが、さらに、抗原ペプチドがHLA全体の動的構造変化に及ぼす影響を解明することで安定性創出の原理を明らかにするべく、安定型、不安定型のHLAの重鎖の揺らぎをNMRにより測定してきた。一年目にペプチド認識に重要である残基が揺らいでいることと、より安定な複合体であると報告されているペプチドHLA複合体の方が、低存在比構造に揺らぎやすいことを報告したが、安定化のメカニズムは不明であった。そこで、具体的な安定化のメカニズムを明らかにするために、揺らぎの温度変化測定を行い、中間の安定型のHLAについても動的構造解析を行った。
安定型HLAの揺らぎの温度変化測定から、低存在比構造への揺らぎは、HLAがよりフォールドする方向への構造変化であることが明らかとなった。この結果から、揺らぎによって生じる低存在比のパッキングした構造を利用することで、HLAの崩壊を防ぐ安定化メカニズムが考えられる。
さらに、このメカニズムの妥当性の検討を行うべく、中間型の安定性を持つHLAについても揺らぎの解析を行い、不安定型、安定型との結果の比較を行った。その結果、中間型における低存在比構造の割合は不安定型、安定型のちょうど中間の値をとり、我々が考える安定化のメカニズムを裏付ける結果となった。このような低存在比構造への構造変化が蛋白質の安定性に影響しうることを示したのは本研究が初めてである.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

安定型のHLAに対して、動的構造の熱力学的な解析を行うことで、HLAの安定性が制御されるメカニズムを解明しただけでなくさらに、予定以上の進展として、安定型、不安定型のHLAの動的構造と中間の安定性を持つHLAの動的構造を比較することで、そのメカニズムをサポートする結果を得ることができた。

今後の研究の推進方策

まだまだ、細胞内での現象との関わりなど、今後の展望は考えうるが、本課題としては24年度を持って終了している。

報告書

(2件)
  • 2012 実績報告書
  • 2011 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Interleukin-11 Links Oxidative Stress and Compensatory Proliferation2012

    • 著者名/発表者名
      Nishina T, Komazawa-Sakon S, Yanaka S, Zheng X, Palo J, Kojima Y, Yamashina S, Sano E, Putoczki T, Doi T, Ueno T, Ezaki J, Ushio H, Ernst M, Kouhei T, Okamura K, Nakano H
    • 雑誌名

      Science Signal

      巻: 5 号: 207

    • DOI

      10.1126/scisignal.2002056

    • 関連する報告書
      2011 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] ヒト主要組織適合複合体の安定化機構に関する解析2012

    • 著者名/発表者名
      谷中冴子, 菅瀬謙治, 上野貴将, 津本浩平
    • 学会等名
      第51回NMR討論会
    • 発表場所
      ウインク愛知
    • 年月日
      2012-11-08
    • 関連する報告書
      2012 実績報告書
  • [学会発表] ヒト主要組織適合複合体の安定性に置ける、揺らぎの重要性について2012

    • 著者名/発表者名
      谷中冴子, 菅瀬謙治, 上野貴将, 津本浩平
    • 学会等名
      第50回日本生物物理学会
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      2012-09-23
    • 関連する報告書
      2012 実績報告書
  • [学会発表] ヒト主要組織適合複合体の揺らぎが安定性に与える影響について2012

    • 著者名/発表者名
      谷中冴子, 菅瀬謙治, 上野貴将, 津本浩平
    • 学会等名
      第12回日本蛋白質科学会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場
    • 年月日
      2012-06-21
    • 関連する報告書
      2012 実績報告書
  • [学会発表] ヒト主要組織適合複合体(HLA)の揺らぎが傷害性T細胞(CTL)に与える影響について2011

    • 著者名/発表者名
      谷中冴子・菅瀬謙治・上野貴将・津本浩平
    • 学会等名
      第11回日本蛋白質科学会年会
    • 発表場所
      ホテル阪急エキスポパーク
    • 関連する報告書
      2011 実績報告書
  • [学会発表] Targeted glycosylation of "non-core region" of Interleukin 11 modulates its biological function2011

    • 著者名/発表者名
      Saeko Yanaka, Emiko Sano, Norio Naruse, Jose M.M.Caaveiro, Tsu-moto Kouhei
    • 学会等名
      Immunology 2011
    • 発表場所
      Moscone Center (San Francisco, U.S.A.)
    • 関連する報告書
      2011 実績報告書

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公開日: 2011-12-12   更新日: 2024-03-26  

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