研究課題
特別研究員奨励費
【Xenopus tropicalisを用いたメラニン凝集ホルモン(MCH)システムの解明】これまでに、X. tropicahsから4種類のメラニン凝集ホルモン受容体(XMCHR1a、1b、2a、2b)をクローン化し、細胞内シグナルを指標に受容体機能を精査した。その結果、MCHR2bのみCa^<2+>濃度、GTPγS結合能、ERK及び70S6Kリン酸化、cAMP量測定の全てにおいて、活性は認められなかった。そこで、CHO-K1細胞を用いてXMCHR2bの細胞内局在を免疫化学染色により調べたところ、他のXMCHRsと同様に細胞膜上に局在していた。さらに、XMCHRのリガンドであるXMCHを添加し、細胞内局在を調べたところ、XMCHR2bのインターナリゼーションが認められた。以上より、XMCHR2bは一般的な細胞内シグナルを活性化しないが、機能的な受容体だと考えられる。このような特徴を有するMCHRの報告は本研究が初である。興味深いことに、XMCHR2bはX. tropicalisのほぼ全ての組織で発現する。中でも、皮膚ではXMCHR1bと共に体色調節に関わる可能性を昨年度明らかにした。そこで、XMCHR1bとXMCHR2bの関係を探るべく、両受容体をCHO-K1細胞に共導入し、免疫化学染色を行った。その結果、XMCHR1bとXMCHR2bの多くが細胞膜上で共発現すること、XMCH添加により、両者のほとんどが共にインターナリゼーションすることを認めた。よって、X. tropicalisの皮膚では、XMCHR1bとXMCHR2bが相互的(2量体形成等)に体色調節に関与すると考えられる。しかしながら、少数認められたXMCHR2bの単独での挙動については謎である。【マツカワ・メラノコルチン受容体(MCR)のヘテロマー形成の可能性】昨年度までに、マツカワMC1RとMC5Rがヘテロダイマーを形成する可能性を示す多くのデータを得た。本年度は残された課題であった免疫沈降法による生化学的解析を行い、MC1Rの免疫沈降画分にMC5Rも検出されることを明らかにした。さらに、フローサイトメトリー解析により、CHO細胞発現系では、MC1RとMC5Rの極一部がヘテロダイマーを形成していることを明らかにした。
(抄録なし)
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