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新規ポリユビキチン鎖の構造および形成機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 11J06373
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 構造生物化学
研究機関京都大学

研究代表者

森本 大智  京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2011 – 2013
研究課題ステータス 完了 (2013年度)
配分額 *注記
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2013年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2012年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
キーワードユビキチン / アミロイド / せん断力 / オートファジー / 結晶化 / ユビキチン化 / 形質導入 / X線回折
研究概要

新規直鎖ポリユビキチン鎖の立体構造解析
過去二年間の研究で、ポリユビキチン鎖は鎖長依存的に熱力学的安定性が低下していることが明らかになった。さらに、ポリユビキチン鎖は熱変性ならびに力学的応力により繊維形成することを発見した。また、細胞内でも鎖長依存的に凝集体形成をすることが観察された。今年度、より詳細な解析を行なった。
-定量的力学的応力による繊維形成解析-
繊維形成を齎す力学的応力をより定量的に解析するためCouette cellを用いた実験を行なった。Couette cellでは分子に一様かつ一方方向から力を加えることが出来る。解析の結果、ポリユビキチン鎖は47~60s~<-1>のせん断力で繊維を形成した。これは、アミロイドβ等の他の繊維形成タンパク質が繊維形成するせん断力と同程度であることが分かった。
-細胞内ポリユビキチン鎖凝集体の分解-
東京都医学総合研究所の小松先生との共同研究により細胞内凝集体の分解の有無を調べた。野生型マウス胎児線維芽(MEF)細胞内では凝集体は24時間でほぼ全量分解された。一方、オートファジー欠損MEF細胞内ではほとんど分解されなかった。よって細胞内ポリユビキチン鎖凝集体はオートファジーにより特異的に分解されることが分かった。
長鎖ポリユビキチン鎖形成E3リガーゼLU8ACのポリユビキチン形成機構に関する構造学的研究
昨年度結晶化に用いた試料を詳細に調べたところ、LUBACの構成要素であるHOIPはHOIL-1Lとの複合体に比べ単体の方が、より結晶化しやすい性質があることが分かった。本年度はHOIP単体の発現系構築、結晶化そしてX線回折実験に取り組んだ。放射光科学研究施設Photon FactoryにおいてX線回折実験を行なったところ最大解像度3.8Åの回折が得られたが、データの質が悪く構造解析には不十分であった。結晶の結晶性やクライオプロテクタントの適合性が不十分であったと考えられ、更なる結晶化・クライオプロテクタント条件を探索する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

本年度はデータを学術論文としてまとめ投稿した。現在、査読中であるが、これは順調に研究が進展し完了出来たと言えるであろう。また、東京都医学総合研究所の田中先生ならびに小松先生の研究グループと共同研究を行ない、当初の計画以上の興味深い結果を得ることが出来た。また、LUBACのX線結晶構造解析に関しては、未だ構造解析には至っていないが、着実に試料条件・結晶化条件を最適化することが出来ている。

今後の研究の推進方策

新規直鎖ポリユビキチン鎖の立体構造解析
学術論文への投稿が出来たため、査読後、随時、原稿の訂正ならびに追加実験を行なう予定である。また今後、これまで得られた現象のメカニズム解析ならびに速度論解析を、主に核磁気共鳴などの原子レベルで解析できるツールを用いて進めていく予定である。
直鎖ポリユビキチン鎖形成E3リガーゼLUBACのポリニビキチン形成機構に関する構造学的研究
現在、複数の条件で目的タンパク質の結晶が得られているため、これらの条件をより最適化するとともに、随時X線回折実験を行ない、高分解能の回折データが得られ次第、構造解析に取り組む。

報告書

(3件)
  • 2013 実績報告書
  • 2012 実績報告書
  • 2011 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Solution Structure of the Ubiquitin-associated (UBA) Domain of Human Autophagy Receptor NBR1 and its Interaction with Ubiquitin and Polyubiquitin.2014

    • 著者名/発表者名
      E. Walinda, D. Morimoto. K. Sugase. T. Konuma. H. Tochio, M. Shirakawa
    • 雑誌名

      The Journal of Biological Chemistry

      巻: (印刷中) 号: 20 ページ: 13890-13902

    • DOI

      10.1074/jbc.m114.555441

    • 関連する報告書
      2013 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2011-12-12   更新日: 2024-03-26  

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