研究課題/領域番号 |
11J06445
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
動物生理・行動
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
鎌江 優一 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2011 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2012年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 概日リズム / 時計遺伝子 / マダラシミ / HR3 / E75 / timeless |
研究概要 |
本研究は、マダラシミの概日時計分子機構を明らかにし、昆虫時計分子機構の理解を進めることを目的としている。本年度は、1.HR3及びE75の全長のクローニング、2.HR3及びE75の発現リズムの解析、3.HR3及びE75の機能解析及び、4.マダラシミの時計分子機構のモデル図の作成を行い以下の結果を得た。 1.HR3及びE75の断片から設計したプライマーを用いてRT-PCRを行い、HR3及びE75の全長cDNAを得ることに成功した。HR3及びE75は、ショウジョウバエのそれらと同様にDNA Binding Domain、及びLigand Binding Domainを持ち、これらの機能領域のハエのHR3及びE75との相同性は61~100%であった。この結果からHR3及びE75はハエのそれらと同様の核内受容体として機能することが示唆された。 2.リアルタイムPCRによりHR3及びE75のmRNA発現量を検討したところ、共に明期の終わりから暗期の始めにピークとなるリズムを示すことが明らかとなり、マウスror及びfev-erbのmRNAの発現パターンと類似することが明らかになった。 3.HR3及びE75の2本鎖RNAを作成し、マダラシミの腹部に注射したところ、多くの個体で脱皮が見られなくなり致死となった。また、生存した個体のそれぞれの遺伝子のmRNAレベルは有意に低下しており、恒暗条件下で歩行活動リズムが消失した。これらの事実から、HR3及びE75が概日リズムの形成に関与すると共にシミの個体発生にも不可欠な役割を持つことが示唆された。 4.これまでに得られた結果から、シミの概日時計分子機構では、ハエと同様にtim,Clk,cycが不可欠な構成要素であるが、timがハエ型の発現制御を受けるのに対して、Clkとcycは哺乳類型の制御を受けることが明らかとなった。従って、昆虫概日時計のプロトタイプはハエ型の要素と哺乳類型の要素を併せ持つことが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画していた全ての研究に着手することができ、HR3及びE75に関しては、現在論文にまとめている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、クローニング及び、機能解析が不十分な時計遺伝子を中心に研究を進めたい。また、時計遺伝子産物に対する抗体作成を行い、時計細胞の同定やタンパク質レベルでの発現制御の検討も行う予定である。さらに、得られた結果を総合し、マダラシミにおける時計分子機構をより詳細に検討したいと考えている。
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