研究課題/領域番号 |
11J06582
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
腫瘍生物学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
村上 昌平 東北大学, 大学院医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2011 – 2013
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研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2013年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2012年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | Keap1-Nrf2制御系 / 造血幹細胞 / 白血病幹細胞 / 幹細胞性維持 / 増殖・分化制御 / Keap1-Nrf2系 |
研究概要 |
1. 長期造血幹細胞におけるNrf2の役割の解明 造血細胞でKeap1を欠損させた(Keap1CKO)マウスを用いて、長期造血幹細胞におけるNrf2活性化の影響を調べた。競合的骨髄移植実験を行うと、Keap1欠損の長期造血幹細胞は生着能が低下していた。 しかし同時に、末梢血細胞への分化が抑制されていた。細胞周期を評価すると、Keap1欠損の長期造血幹細胞では静止期(GO期)細胞が減少していた。ゆえに、Keap1欠損による長期造血幹細胞の機能障害は細胞周期の亢進が一つの原因であると考えられた。これら表現型のNrf2依存性を検討するために、Keap1CKO::Nrf2^<-/->マウスの長期造血幹細胞を用いて移植実験を行った。Keap1CKO::Nrf2^<-/->マウス由来の長期造血幹細胞はControl細胞と同程度の生着率を示し、Keap1欠損細胞で観察された生着能の低下は観察されず、また末梢血細胞への分化抑制も観察されなかった。ゆえに、Keap1欠損で観察された表現型はNrf2依存的であることが示唆された。したがって、長期造血幹細胞における恒常的なNrf2活性化は、幹細胞性を障害すると考えられる。 2. 白血病幹細胞におけるNrf2の役割の解明 誘導的白血病モデルマウス(PtenCKO)由来の骨髄細胞を用いて、白血病幹細胞におけるNrf2の貢献を調べた。PtenCKOマウスの骨髄細胞を競合的にレシピエントマウスへ移植し、その後で白血病誘導を行った。その結果、PtenCKO::Nrf2^<-/->細胞を持つマウスは、PtenCKO::Nrf2^<+/+>細胞を持つマウスと比較して、生存率が良い事が示された。これは、PtenCKO::Nrf2^<-/->由来の白血病幹細胞は維持能が低いために、レシピエントマウスが白血病発症に至らないことを示唆している。ゆえに、Nrf2は白血病幹細胞の維持に重要であると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、正常な長期造血幹細胞におけるNrf2活性化の影響を、競合移植実験によって明らかにすることができ、恒常的なNrf2の活性化は長期造血幹細胞の機能を低下させることを示した。また、白血病幹細胞に着目した解析では、誘導的白血病モデル(PtenCKO)マウス由来の骨髄細胞を競合的に移植し、レシピエントマウスにおいて白血病を誘導することで、Nrf2は白血病幹細胞の維持に重要であることを示唆することができた。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究成果から、正常な造血幹細胞では、恒常的なNrf2活性化は長期造血幹細胞の維持を障害する一方で、末梢血への分化を抑制することが明らかになった。Nrf2はストレス環境において転写活性化を示す因子であるため、今後は慢性炎症などのストレス環境下において、造血幹細胞の維持を弱めるのか、あるいは、分化を抑制することで維持を良くするかを検討する予定である。白血病幹細胞の実験においては、今回解析したレシピエントマウスで、白血病幹細胞がNrl2欠損によって実際に減少しているか、あるいは維持能が低下しているかを解析する予定である。
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