研究課題/領域番号 |
11J06795
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
生体関連化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
秋葉 宏樹 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2011 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2012年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2011年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 希土類錯体 / チロシンリン酸化 / 蛍光・発光プローブ / バイオコンジュゲーション |
研究概要 |
本研究課題においては、Tb(III)錯体を利用して、タンパク質におけるチロシンリン酸化の直接可視化を目指した研究を行ってきた。当該年度においては、1.阻害剤の機能可視化による創薬への貢献を目指した展開、2.基質へのコンジュゲーションによる検出系の応用拡大、3.認識メカニズムの解明、という3点について研究を進めた。 1.阻害剤の機能可視化 前年度の段階においてチロシンキナーゼSrcの活性に対する阻害剤staurosporineの影響を可視化することに成功していたが、本年度においては幅広い酵素、阻害剤の組み合わせについてそれらを可視化し定量的に比較することに成功した。さらに、キナーゼと相補的に働くフォスファターゼの働き、フォスファターゼに対する阻害剤の効果をも可視化、定量することができた。既存の手法と比較してもよいシグナル/ノイズ比が得られることから、新規の阻害剤の評価系として発展させるうえで非常に有望な手法の1つであるといえる。 2.コンジュゲーションによる検出系の拡大 Huisgen環化付加反応によって基質にコンジュゲーションすることのできるTb(III)錯体Tb_2-Lclyneを合成した。基質ペプチドとしては、より反応観察に適切であるAbltideを用い、Ablによる反応を可視化することとした。コン ジュゲーション反応とコンジュゲートペプチド精製の最適化を行ったところ、リン酸化反応に従って大幅に発光強度が増大する系を構築することに成功した。従来のTb_2-L^1では可視化できなかったターゲットも可視化できたことから、検出系の拡大に寄与する結果となった。 3.認識メカニズムの解析 リン酸化TyrのモデルであるPhOPと比較的強く相互作用するTb(III)複核錯体Tb_2-L^1を用い、エネルギー伝達効率を求めることで、フェノール部位とTb(III)イオンとの距離が7.64Åと決定された。これは、リン酸部位が2つのTb(III)イオンと、それぞれ水1分子を介して相互作用するモデルとよく一致する。このことから、Tb2-L1の2つのTb(III)イオンが協同的に作用することが示唆された。
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