研究課題
特別研究員奨励費
1. 放射光を用いたBi系強誘電体のドメイン反転挙動解明 :強誘電体のバルク単結晶や単結晶薄膜において、電界によるドメイン反転挙動を理解することはデバイス応用上極めて重要である。対象物質である(Bi1/2Na1/2)TiO3(以後BNT)において、高エネルギー放射光を用いた結晶構造解析手法を応用し、分極反転挙動を評価した結果、BNT単結晶は非180°の分極回転を伴う、多段階の分極反転機構を持つことが明らかとなった。この非180°回転を制御することが、BNT系材料の分極構造制御に重要であると結論した。2. オゾン雰囲気下成膜によるBi系強誘電体薄膜の高特性化昨年度に引き続き、オゾン雰囲気下におけるBNT薄膜作製の条件最適化を行い、高品質なエピタキシャル薄膜の作製を達成した。無極性・導電性基板上にオゾン中で作製したBNT薄膜は、酸素中で得られた薄膜より優れた分極特性を示した。Bi係単結晶育成において結晶高機能化に高い効果を示す高酸化性雰囲気が、薄膜作製プロセスにおいても有効であることを実証した。3. 分極ヘテロ界面の形成と特性評価極性・半導体性を有する基板にBaTiO3(BT)強誘電体をオゾン雰囲気下PLD法で堆積し、強誘電体/極性材料ヘテロ構造を作製することに成功した。得られたヘテロ構造の電気特性を評価した結果、電場軸方向に大きく偏った特性が得られた。この結果は、ヘテロ界面に特異な電場が形成され、特定方向の分極を持つドメイン構造がBT結晶中で安定化されることを示している。ヘテロ界面の分極不連続性に由来する電場環境を利用して、従来にないドメイン構造制御が可能となることが期待される。
(抄録なし)
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