研究課題/領域番号 |
11J06913
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
食品科学
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
三谷 塁一 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2011 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2012年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 去勢抵抗性前立腺がん / アンドロゲン受容体 / 低酸素 / 低酸素誘導因子-1α / β-catenin / 機能性食品成分 / レスベラトロール / 前立腺がん / HIF-1α |
研究概要 |
前立腺がんの進行には男性ホルモンであるアンドロゲンとその受容体であるアンドロゲン受容体(AR)の機能破綻が関与している。我が国で増加し続けている前立腺がんの死亡率は、アンドロゲン除去療法(去勢)後に発症する去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)の増加に起因する。昨年度の結果から申請者は、去勢後に発現が誘導される低酸素誘導因子(HIF)-1αとβ-cateninというタンパク質がARシグナルの活性化に関与していることを明らかにし、HIF-1αがCRPCにおけるARシグナル活性化の鍵因子であることを見出している。本年度の研究では、HIF-1αを標的分子として機能性食品成分によってCRPCの増殖を抑制・遅延することを検討した。低酸素下の前立腺がん細胞において、ブドウ果皮に含まれる機能性食品成分の一種であるレスベラトロールはHIF-1αのタンパク質レベルを減少し、低酸素によって亢進したARの転写活性を常酸素レベルまで抑制した。またレスベラトロールはHIF-1αと直接結合することが明らかとなった。CRPC発症モデルマウスにレスベラトロール(4g/kg diet)を40日間摂食させ、レスベラトロールによる腫瘍の増殖抑制・遅延効果を経時的に評価した。レスベラトロールの摂食により摂食開始32日目からコントロール群と比較して有意に腫瘍の増殖が抑制された。腫瘍におけるHIF-1αと前立腺がんのマーカータンパク質であるPSAの発現量はレスベラトロールの摂食により減少した。レスベラトロールは腫瘍におけるβ-catenin発現量に影響を及ぼさなかったが、核内のβ-catenin量を減少した。これらの結果からHIF-1αを標的分子とすることで機能性食品成分によってCRPCの増殖を抑制・遅延できることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度に予定していた研究実施計画は順調に遂行できた。rHIF-1αとβ-cateninによる協調的なアンドロゲン受容体シグナル活性化」についての結果を論文に掲載され、また「去勢抵抗性前立腺がんにおける、レスベラトロールによるアンドロゲン受容体シグナル調節機能」についての結果を論文投稿中である。
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