研究課題/領域番号 |
11J07015
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
実験心理学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
奥村 優子 京都大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2011 – 2013
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研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2013年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2012年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 乳児 / 社会的学習 / 視線追従 / ヒューマノイドロボット / アイトラッキング / 方言 / 学習 / 視線 / アイトラッカー |
研究概要 |
乳児を取り巻く環境は、情報に満ちあふれた複雑な世界である。そうであるにもかかわらず、乳児は驚くべき速さで、そして効率的に、世界の仕組みを学習する。乳児はどのようにして、複雑な世界から有益な情報を獲得していくのだろうか。本研究は、乳児が他者からいかに効率的に情報を獲得するかといった社会的学習のメカニズムを実証的に検討することを目的とした。 研究1では、社会的学習の対象となるエージェントそれ自体が乳児の学習にもたらす影響を検討するために、12ヶ月児を対象として、ヒトとロポットの視線が乳児の物体学習に与える影響を比較した。乳児は両エージェントの視線方向を追従したが、ヒトの視線を追従するときのみ物体学習が促進されることが示された。本研究の結果から、ヒトの視線は、乳児の物体学習において強力な影響をもつことが明らかにされた。これは、発達初期におけるヒトからの学習の特異性を示唆している。 研究2では、ロボットにコミュニカティブな手がかりとして音声発話を付与することによって、乳児がロポットの視線を学習に利用する可能性を検証した。その結果、乳児は音声発話といったコミュニカティプな手がかりを付与されたロポットの視線を、物体学習に利用できることが示唆された。今後教師役のロボットの設計原理を考えるうえで、この結果は一つの指針を与え、新しい学習戦略への道を開くであろう。研究3では、ヒトが情報源であったとしても、乳児が他者からの情報を区別し、特に、文化的集団のメンバーから選択的な情報獲得を行うかどうかを検討した。生後一年目までに、乳児は話者の方言を手がかりとしてコミュニティメンバーを特定し、自身の養育環境にある方言話者に対して社会的選好を示した。このような選好は、所属する文化的集団メンバーから選択的に情報を獲得する社会的、文化的学習を支えている一つの要因であるかもしれない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
乳児の社会的学習に関する一連の研究において、論文が国際誌に3本、国内誌に1本採択された。また、多数の国際学会、国内学会において発表し、多くの研究者から高い評価を得ることができた。また、共同研究では、京都大学のプレスリリースとして発表され, 国内外の多数のメディア(新聞・テレビ・インターネット)で取り上げられるとともに, 養育者などの一般の方の関心を集めた。こうした成果から、京都大学において、たちばな賞奨励賞および京都大学総長賞を受賞することができた。したがって、計画以上の研究の進展があったと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
(抄録なし)
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