研究課題/領域番号 |
11J07301
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
融合脳計測科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中園 智晶 京都大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2011 – 2013
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研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2013年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2012年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 海馬 / LFP / セル・アセンブリ / CFC / 学習 / オシレーション / Cell assembly / Multi unit recording / Hippocampus / Rat |
研究概要 |
本研究は二重情報課題という行動パラダイム実行中のラットの脳活動を解析予定であったが、行動課題を変更しルールスイッチング課題をラットに課してニューロン活動の記録を試みた。二重情報課題は、単一セッションにおいて異なる認知状態をラットに持たせるものであったが、ルールスイッチング課題は学習によってラットの認知状態を徐々に変化させるものであり、時間軸こそ違えどこの二つの行動パラダイムの目的は同一である。本年度はこの課題実行中のラット海馬における局所場電位(LFP)の学習に伴う変化を記録した。LFPはニューロン集団の活動の集合として発生する脳波と考えられており、本研究の目的である、同期活動により情報を符号化するニューロン集団(セル・アセンブリ)の可塑的な変化にも重要な役割を果たしていると考えられている。本研究では周波数帯間カップリング(Cross-Frequency coupling, CFC)とよばれる現象に着目して解析した。このCFCはラット海馬においてはシータ帯域(5-12Hz)とガンマ帯域(30-100Hz)の周波数帯間で観測されることが知られている。ガンマ帯域は局所的なセル・アセンブリの活動タイミングに関与するとされており、シータ波はそれらの局所的な活動をより広域なレベルで統合すると考えられている。このCFCの強度が学習に伴って上昇してゆくことが先行研究では示唆されていたが、本研究ではこのカップリングの強化が学習後も持続するのではなく、学習発生時に一過性であることを示すデータが得られた。これは従来の研究が1セッションで学習完了する課題を使用していたのに対して、本課題では一週間程度の学習が必要な課題を利用して持続的に記録を行ったため発見出来た現象である。この知見は、学習に伴って組み代わるセル・アセンブリのその切り替わりのメカニズムとしてCFCが寄与している可能性を示すものである。この関係を直接的に検証するためのBMI実験についてもセットアップを終了し、データの収集を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
いまだ十分なデータ数が記録出来ておらず、論文としてまとめて発表出来る段階にいたれなかった。
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今後の研究の推進方策 |
(抄録なし)
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