研究課題
特別研究員奨励費
本年度は昨年度に引き続き、AdS/CFT対応における3点関数を弦理論側から計算することを主眼に研究を行った。その結果、本年度後半には、最終的な結果を得ることに成功し、それを論文の形で発表した。我々の得た結果は、場の理論側から別のグループによって2009年に計算されていた結果と整合的であり、AdS/CFT対応が成立する非常に非自明な証拠を与えている。また、場の理論における計算は、途中で数学公式を様々使う技巧的なものであり、結果がどれほど普遍的なものであるか良くわからなかった。しかしながら、我々の計算では同じ表式が、3本の弦の描く軌跡の面積、という幾何学的量から自然に導出されている。この事は、以前に得られていた表式が、単に技巧的操作の末に得られた人工的なものではなく、背後にある物理的メカニズムを自然に反映したものであることを強く示唆している。それゆえ、我々の得た結果は、今後AdS/CFT対応の深いメカニズムを理解するうえで、礎となる重要な第一歩であると考えられる。実際、我々の論文は国際的な評価も受けており、韓国や京都の国際研究会で招待講演を行った。このように、本年度は本研究課題の集大成となる論文を出版することができ、全体として期待以上の進展が得られたといって過言ではない。
(抄録なし)
すべて 2014 2013 2012
すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 2件)
Journal of High Energy Physics
巻: 3 号: 3 ページ: 52-52
10.1007/jhep03(2014)052
巻: 3 号: 3
10.1007/jhep03(2014)038
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10.1007/jhep09(2013)013
巻: 10 号: 10 ページ: 147-171
10.1007/jhep10(2013)147
International Journal of Modern Physics : Conference Series
巻: 21 ページ: 173-174
10.1142/s2010194513009677
巻: 9 号: 9
10.1007/jhep09(2012)022
巻: 1 号: 1
10.1007/jhep01(2012)110
巻: 01(2012) 号: 1 ページ: 1-20
10.1007/jhep01(2012)048
120006348350