研究課題
特別研究員奨励費
本年度は、まず光応答性遺伝子ベクターの物性をより詳細に明らかにするために、光増感剤を搭載していない状態のポリイオンコンプレックスミセルを、ABC型トリブロック共重合体PEG-poly{N-[N-(2-aminoethyl)-2-aminoethyl] aspartamide}-poly (L-lysine)(PEG-PAsp (DET)-PLys)とプラスミドDNA (pDNA)の混合比を変えて調製し、その構造を透過型電子顕微鏡により評価した。その結果、カチオンの量が増えることでpDNAの形状がスフィア状からロッド状に変化した。また、光増感剤を加えた状態でのポリイオンコンプレックスミセル(光応答性遺伝子ベクター)においても、光増感剤の量に依存してpDNAのロッドの長さが変化したことから、PAsp (DET)が中間層を形成してそこに光増感剤が搭載されていることが強く示唆された。次に、光応答性遺伝子導入のコンセプトをより明確に実証するため、今までのHeLa細胞に対する遺伝子導入の評価に加えて、HCT116細胞に対する遺伝子導入効率の評価も行った。その結果、HCT116培養細胞に対しても、光応答性遺伝子ベクターは光照射下で遺伝子導入効率を飛躍的に上昇させることが明らかになり、さらに重要なことに、マウスのHCT116皮下腫瘍モデルに対しても全身投与後の光に応答した遺伝子の導入に成功した。全身投与後の光応答性遺伝子導入に成功したのは本研究が世界で初めてである。本研究で開発した光応答性遺伝子ベクターを応用することで、がんや動脈硬化などの難治性疾患に対する低侵襲的な治療方法が開発できるものと期待される。
(抄録なし)
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