研究課題
特別研究員奨励費
1.VGF遺伝子導入マウスの作製本マウスを作製することにより、様々な研究へ応用していく事を目的として実施した。今年度は、VGFトランスジェニックマウスの繁殖を行い、高発現ラインの絞り込みをすることに成功した。今後は、VGFマウスの大量繁殖・維持そしてALSマウスとの交配によりダブルトランスジェニックマウスを作製し、VGFのALS病態に対する作用をin vivoで検討していくことが課題である。2.アストロサイトからのGPNMBの分泌SOD1^<G93A>マウス脊髄において運動ニューロン同様GPNMBタンパク質を発現していたアストロサイトに注目した。MockおよびSOD1^<WT>発現細胞両群間では培養上清中のGPNMB含有量に差が認められなかったが、SOD1^<G93A>発現細胞では他の二群に比べ有意(P<0.01)に増加していた。さらに、培地中のGPNMB量増加に伴い、有意(P<0.05)なMMP3タンパク質の活性化(active-MMP3)およびMMP9(pro-MMP9)タンパク質の発現量の増加が認められた。このことから、in vivoで認められたGPNMBの増加はアストロサイトより分泌されたGPNMBに起因することが示唆された。3.ALS病態に対するGPNMBの作用ALS病態に対するGPNMBの作用を検討するために、SOD1G93A/GPNMBダブルトランスジェニックマウス(G93A/GPNMBマウス)を作製した。V5標識GPNMBタンパク質は、G93A/GPNMBマウス脊髄中で顕著に増加していた。GPNMBの過剰発現により、ローターロッドの保持時間および発症の有意(P<0.01)な遅延が認められた。
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