研究課題/領域番号 |
11J09019
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
無機化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
箱江 史吉 東京大学, 大学院理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2011 – 2013
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研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2013年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2012年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 光誘起相転移 / 酸化チタン / 薄膜合成 / 光学定数 / ラムダ型五酸化三チタン / 光記録材料 / 金属酸化物 |
研究概要 |
当研究室では、室温で可逆的に光誘起の金属-半導体転移を示すラムダ型五酸化三チタン(λ-Ti_3O_5)を報告している。本研究では、このλ-Ti_3O_5の光記録材料としての有用性を検討することを目的として、光学特性の評価を行った。本年度の研究計画は、光学特性の評価に適した、光散乱の影響を抑えた薄膜を新たに合成し、透過スペクトルやエリプソメトリー測定によりλ-Ti_3O_5の光学定数を評価することとした。 昨年度までの研究で、TiO_2ゾルを石英ガラス基板上にスピンコートし、水素雰囲気下で焼成するという手法によってλ-Ti_3O_5の薄膜を合成出来ることがわかったが、紫外・可視領域での光散乱の影響が大きく光学特性の評価には不適であった。本年度は、コーティングに用いるTiO_2ゾルを検討することで、光散乱の影響を抑えた薄膜の合成条件の検討を行い、新たな薄膜を合成した。 新たに合成したλ-Ti_3O_5薄膜について、紫外・可視・近赤外領域の透過スペクトルと分光エリプソメーターによるエリプソメトリーデータの測定行い、λ-Ti_3O_5の光学特性を評価した。透過スペクトルは950nmをピークトップとするブロードな吸収と350nmよりも短波長側において強い吸収を示した。当研究室による既報の第一原理計算結果との比較によって、前者は、チタン3dの価電子帯から3d伝導帯への遷移、後者は酸素の2p価電子帯からチタン3d伝導帯への遷移に帰属されることが示唆された。 本研究で得られたλ-Ti_3O_5の薄膜合成と光学定数は、本材料を光記録材料へ展開する上で重要な知見である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の研究計画であった、散乱の影響が小さい薄膜を新たに合成し、光学定数を評価することができたため、おおむね順調に進展していると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
(抄録なし)
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