研究課題/領域番号 |
11J09036
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
美学・美術史
|
研究機関 | 明治学院大学 |
研究代表者 |
川崎 公平 明治学院大学, 文学部, 特別研究員(PD)
|
研究期間 (年度) |
2011 – 2013
|
研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
|
配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2013年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2012年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2011年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
|
キーワード | 日本映画 / マンガ / ホラー・怪奇 / 怪談 / 戦後日本文化 / メディアと身体 / 恐怖表象 / スリラー / 映像論 / 恐怖表現 |
研究概要 |
戦後日本の映像・図像メディアにおける<メディア―身体―ホラー>の関係の諸相の解明を目指した本研究は、最終年度となる平成25年度において、メディア横断的に恐怖が噴出する三つの時期(①1950年代後半~60年代、②1960年代後半~70年代、③1990年代以降)から特異な実践を抽出し、その各々についての調査・分析をおこなった。その過程で、〈人間と世界の二重性〉という主題が獲得され、その展開によって全体を系譜づけることが目論まれた。①1960年前後の時期については、前年度に引き続き、「スリラー」についての調査をおこなった。なかでも中心的な考察対象として山川方夫の小説と水木しげるのマンガを取り上げ、その分析から、人間や世界の二重性という同時代的な言説上の主題が、メディアそれ自体が孕む二重性によって二重化されるさまを明らかにした。②1970年前後については、当時の政治的・文化的な異議申し立てと結びつきながら再評価された怪談映画が、〈人間と世界の二重性〉の主題をいかに変容させていったかを分析し、その成果は学会で発表された。また、楳図かずおがこの時期取り組みはじめた「心理的恐怖」の分析もおこない、二重性の二重化の新たな展開を明らかにした。③1990年代以降については、以上の研究を踏まえながら、いわゆる「Jホラー」映画と、黒沢清の作品について、引き続き分析を重ねた。また映画というメディアと身体に関する理論的な考察を拡充し、黒沢清の作品が映画と身体との関わりにおいて、そして<人間と世界の二重性>の主題の系譜において、特異な達成として位置づけられることを明確にした(この成果は黒沢清論として書籍化される予定)。以上の研究によって、これまで目を向けられることのなかった、戦後日本の視覚文化において恐怖とメディアが二重化する場に現れる身体性の系譜を、歴史的・理論的に明らかにすることができた。
|
今後の研究の推進方策 |
(抄録なし)
|