研究課題
特別研究員奨励費
本研究の目的は『標準模型を越える物理の可能性として、時空構造の効果を採り入れた現実的な統一模型の構築を探求する。』ことである。現代の素粒子物理学において標準模型はほぼ確実にその正しさが実験的に検証されている。現在稼働中のLarge Hadron Collider (LHC)において標準模型で唯一未発見であったHiggs粒子が発見され、その先には超対称性という新しい物理の発見の可能性を秘めている,しかし、標準模型や超対称標準理論だけでは理解できないいくつかの問題も存在する。本研究では、「世代数の起源」と「超対称性の破れの起源」の2つに着目した現実的な統一模型の構築を目指すものであった。1つ目の世代の起源であるが、超弦理論を見据えた高次元時空でのゲージ理論から出発した場合の世代数の導出機構を提案した。これは余剰次元空間中に存在する磁束の影響と余剰次元空間そのものの構造が世代数の起源になる可能性を指摘したものである。完全に3世代と言い切ることはできていないが、3の倍数世代であることが余剰次元空間の構造によって決定される。さらに、3世代模型を導出する場合にはわずか1つか2つとより限られた模型しか存在しないことも分かった。また、物質場のフレーバー混合についてもより改善される可能性があることが分かった。2つ目の超対称性の破れの起源であるが、高次元時空中で超対称E6大統一理論から議論を始めた場合に、4次元時空での議論では得られなかった超対称位子に関する質量の関係式を見つけることができた。この関係式が実験事実と見比べたときに矛盾していなければ高次元時空での高いエネルギースケールでの超対称性の破れの可能性が示唆できるのではないかと考える。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (10件)
arxiv.org [arXiv : 1301.7469]
巻: (申請者の分野では著者記載の順序はアルファベット順)(Int. J. Mod. Phvs. Aにて掲載決定)
120007101209
arxiv.org[arXiv : 1302.7469]
巻: (申請者の分野では著者記載の順序はアルファベット順)(Phys. Rev. Dにて掲載決定)
120005468178
AIP Conference Proceedings "GUT2012"
巻: 1467 ページ: 262-265
10.1063/1.4742113
International Journal of Modern Physics A
巻: 27
巻: 26 号: 25 ページ: 4405-4418
10.1142/s0217751x11054516