研究課題/領域番号 |
11J09667
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
超高層物理学
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研究機関 | 独立行政法人宇宙航空研究開発機構 |
研究代表者 |
大月 祥子 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2011 – 2013
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
800千円 (直接経費: 800千円)
2011年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 金星大気 / 地上観測 / 金星探査機 / 赤外線観測 |
研究概要 |
本研究の目的は、地上大型望遠鏡による観測及び探査機からの観測データをもとに、金星大気中の波動現象や物質循環など金星大気の姿を大気力学・化学両方からのアプローチによって明らかにすることである。当初の研究実施計画では、今年度は特に、これまでの地上観測によって得た金星酸素分子大気光データを解析し、惑星スケールの大気波動の研究を進める予定であった。しかし、2011年3月に金星探査機「あかつき」搭載の1μm赤外線カメラIR1を利用した金星測光観測を実施し観測データを得たことから、近赤外領域における金星雲粒子特性に注目した研究を主に進めた。 「あかつき」による金星測光観測では、金星距離1300万km程度の遠距離からながら、「満金星」を含む低位相角における紫外~中間赤外の5波長での測光データを得た。本研究では0.90μmのデータを使用し、この波長での位相角0~60度の位相曲線を導出した。また、同じ「あかつき」搭載の2μm赤外線カメラIR2のデータから導出された2.02μmのデータからの位相曲線と照らし合わせ、両者に整合するような金星雲モデルを検証し、雲粒子分布への制約を与えた。これらの結果はIR2チームとの共同研究としてIcarus誌に投稿しており(Satoh et al.)、現在審査中である。 また、秋には欧州の金星探査機Venus Express搭載の赤外線分光器SPICAVチームのもとに滞在し、SPICAVで得られた偏光観測データを用いた金星雲特性の研究も開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2011年3月に実施した「あかつき」搭載機器による金星測光観測を受け、今年度の主な研究対象を金星雲粒子特性に変更した。交付申請書に記載したものとは異なるアプローチとなったが、金星大気の姿を観測データに基づいて明らかにするという点で同じ目的に向かっていると考える。新しいデータ・これまでの研究とは異なる解析手法に時間をとられ、今年度の研究の進捗状況としてはやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度4月より大学において常勤の職を得たため、平成24年度以降の特別研究員奨励費は辞退した。しかし、金星大気の研究については今後も継続し、欧州の金星探査機Venus Express搭載赤外線分光器SPICAVチームとの金星雲粒子特性についての共同研究を進める。また、平成24年7月には地上大型望遠鏡による金星大気観測を新たに実施し、酸素分子大気光の時間変動や微量成分分布などを観測し、当初の研究実施計画についても推進する。
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