研究課題/領域番号 |
11J09694
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
政治学
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
白川 俊介 青山学院大学, 国際政治経済学部, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2011 – 2013
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研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2013年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2012年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2011年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | リベラリズム / ナショナリズム / グローバルな正義 / 世代間正義 / 国民国家 / 気候変動 / 儒教 / 人権 / リベラル・ナショナリズム / グローバルな貧困 / グローバル正義 / コスモポリタン民主主義 / ネイションの自決 / 土着語による政治 / シティズンシップ / 多文化共生世界 / 棲み分け |
研究概要 |
本研究の目的は、近年の政治理論において主要な潮流として台頭しつつある、リベラル・ナショナリズム論を批判的に継承し、国民国家体制を軸とする公正な多文化共生世界の構想を規範理論的な視座から提示することにある。 本年度は、まず、昨年から取り組んでいる課題であり、グローバルな正義と気候変動に関する研究として、昨年度の研究報告をもとに、「地球環境問題とグローバルな正義――気候変動の政治哲学序説」、およびそれに新たな論点を加えて加除修正を施した「グローバルな気候変動の政治哲学――負担や責任の公正な配分の原理に関する規範理論的探究」という2つの論文を執筆した。第一次大戦戦後の時期の帝国主義的な時代と新自由主義が席巻する現代をある意味パラレルに捉え、思想史的な観点から、今日における国民国家の意義を擁護した研究として、「ボーダーレス化する世界における「マルチ・ナショナリズム」の規範的擁護――オットー・バウアーの議論の検討を手がかりにして――」という論文を執筆した。これら3つの論稿のいずれも、国民国家体制の規範的な擁護を政治哲学的に試みたものである。 そのほか、今年度は、研究発表として、世代間正義論におけるネイションの重要性を検討したもの、一般的に人権と相容れないとされる儒教の文化的伝統からみた人権論の再定位を試みたもの、ハンナ・アーレントの思想を概観し、彼女の議論を国民国家の擁護論として読みかえようとするもの、グローバルな正義論の文脈でカント的なコスモポリタニズムを批判的に検討したものなど、7件の研究報告を行った。これらは来年度以降に順次活字化していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、5つの原稿を執筆し、研究報告を行うことができたからである。また、昨年度からの研究を2つ、本年度に行ったものを1つ、計3つの論文を雑誌論文に掲載することができたからである。
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今後の研究の推進方策 |
おおむね計画通りに本研究は進められてきた。 本研究期間は3月をもって終了したが、全体を通して、概ね当初描いた研究計画を着実に遂行することができた点で、非常に有意義であった。来年度以降は、この本研究期間に得られた成果をまとめ、書籍化する作業を順次行っていく予定である。
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