研究課題
特別研究員奨励費
歯周病は、口腔内の細菌感染症であり、ほとんどの人が歯周病原因菌に感染している。近年、歯周病と全身疾患(心疾患、糖尿病、早産、アルツハイマー病、骨粗鬆症、腎臓疾患、関節炎、メタボリックシンドローム、動脈硬化症、癌など)との関連性が明らかにされており、歯周病の予防・治療はヒトの健康を守るために極めて重要である。また、歯周病原菌とエンドサイトーシスとの関連性が報告されており、歯周病にエンドサイトーシスが関わる可能性が考えられる。従って、歯周病制御法を開発するためにはエンドサイトーシス機構の解明は必要不可欠である。本研究では、エンドサイトーシスに重要な因子である低分子量Gタンパク質Rab5に着目し、歯周病制御法の開発を目指す。まず、炎症とエンドサイトーシスの関連性を明らかにするために、炎症性サイトカインIL-6を培養細胞培地中に添加し、エンドサイトーシスアッセイ(ファゴサイトーシスアッセイ)を行った。その結果、炎症性サイトカインIL-6が宿主細胞のファゴサイトーシスを促進することが明らかとなった。次に、細胞外シグナルに応答する因子であるMAPKやエンドソームと核との間のシグナル伝達に関わるAPPL1の局在性について共焦点蛍光顕微鏡で観察した。その結果、MAPKやAPPL1が初期エンドソームに局在することが明らかになった。また、ファゴサイトーシスを制御する可能性のある低分子化合物について解析を行った。その結果、抗炎症作用のあるいくつかの化合物で、Rab5 の活性を抑制する結果が得られた。以上のことより、炎症とファゴサイトーシスとの関連性が明らかとなると共に、ファゴサイトーシスを制御する可能性のある低分子化合物を得ることができ、歯周病制御法の確立に向けて前進したものと考えられる。
(抄録なし)
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