研究課題/領域番号 |
11J09859
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
原子・分子・量子エレクトロニクス
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
谷内 一史 東京工業大学, 大学院・理工学研究科(理学系), 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2011 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2012年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 2電子励起状態 / 電子-分子衝突 / Lyman-α光子 / 反応素過程 |
研究概要 |
本研究では、電子衝突による分子多電子励起メカニズムの解明を目的としている。前年度には、水分子を対象とし、入射電子エネルギー100eV、電子散乱角3°、8°、15°、20°、30°における光子標識付き電子エネルギー損失スペクトルを測定した。 本年度は、上述したスペクトルにおいて、電子散乱角3°、励起エネルギー31eV周辺、及び電子散乱角8°、励起エネルギーπ5eV周辺にみられた鋭いピークの起源について理論研究者と詳細に議論した。これらのピークは光励起過程においては観測されず、また電子散乱角15°、20°、30°においても観測されなかった。鋭いピーク構造とその強い電子散乱角依存性の起源として(1)電子散乱角3°と8°にのみ現れたピークは光学的禁制2電子励起状態に起因する、(2)1つの電子状態に起因する成分の形状がFranck-Condon因子により決まるという広く用いられている近似が破綻する、という2つの可能性が挙げられる。特に後者については、分子多電子励起状態において非常に重要となる「多次元非断熱遷移」が強く関与していると考えられる。このように、分子多電子励起メカニズムを理解する上で重要と考えられる現象を観測出来た点で、本研究で得られた結果の重要度は高いと言える。 また、上述したような水分子で観測された鋭いピーク構造は、報告者が以前測定したメタン分子の光子標識付き電子エネルギー損失スペクトルには観測されなかった。そこで、今後の研究進展に備えて、水分子とメタン分子に続く対象として、同じく10個の電子を有し、それらの中間的な性質を有するアンモニア分子を選び、入射電子エネルギー100eV、電子散乱角8°と15°で予備的に光子標識付き電子エネルギー損失スペクトルを測定した。
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