研究課題/領域番号 |
11J10223
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
応用昆虫学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤田 俊之 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2011 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2012年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | ミツバチ / ローヤルゼリー / 外分泌腺 / プロテオーム / 社会性 / 表現型可塑性 / プロテオミクス / 分泌性タンパク質 / カースト分化 / プライマーフェロモン |
研究概要 |
ローヤルゼリー(RJ)に含まれるタンパク質のショットガンプロテオミクスを用いた網羅的解析と、それらの由来する外分泌腺の同定、各々の外分泌腺のプロテオームに基づく機能解析を行い、新規タンパク質9種を含む22種のRJタンパク質を同定し、その由来外分泌腺を同定した。結果、RJタンパク質はこれまで考えられて来たように下咽頭腺のみに由来するのではなく、3つの外分泌腺(下咽頭腺、後脳腺、胸部唾液腺)に由来するタンパク質の「カクテル」であることを初めて明らかにした。またRJに複数の内分泌性タンパク質が含まれることから、これらの内分泌性タンパク質がRJに「外分泌」されて他個体に影響する可能性を示した。さらに、プロテオームに基づき、3つの外分泌腺の機能を解析した結果、下咽頭腺の高タンパク質合成・分泌能の分子基盤を明らかとした。加えて、後脳腺がフェロモンの一種であるオレイン酸エチル(EO)を含むことが報告されている他は機能不明であったが、後脳腺では脂質・糖・アミノ酸代謝に関わる酵素群の発現が亢進していることから、後脳腺自体がEO合成器官である可能性を示した。これらの知見を通じて、ミツバチの外分泌腺の新規な機能と、社会性成立における新規な役割を提案し、国際学術誌へ論文発表を行った(Fujita, et al. J.P.R., 2013)。 さらに、後脳腺のフェロモン合成への関与と胸部唾液腺の機能、及び、RJの脂質成分を合成分泌する大顎腺の機能の理解を目的として、働き蜂の分業(育児から採餌へ)に伴う外分泌腺でのタンパク質の発現変動を、ショットガンプロテオミクスを用いて網羅的に解析した結果について、現在論文準備中である
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、ローヤルゼリーとその由来となる外分泌腺についてのショットガンプロテオミクスを用いた網羅的プロテオミクス解析を行った結果、ローヤルゼリータンパク質が3つの外分泌腺に由来するカクテルであることを新たに示し、国際学術誌へ論文発表[Fujita, et al. J.P.R., 2013]を行い、順調であったと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
ローヤルゼリーの由来となる外分泌腺についてさらに、後脳腺のフェロモン合成への関与と胸部唾液腺の機能、及び、RJの脂質成分を合成分泌する大顎腺の機能の理解を目的として、働き蜂の分業(育児から採餌へ)に伴う外分泌腺でのタンパク質の発現変動を、ショットガンプロテオミクスを用いて網羅的に解析した結果について、現在論文準備中である。
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