研究概要 |
並列ディジタルホログラフィに超短光パルス伝播の3次元動画像記録・観察技術を導入して,従来技術では不可能であった,カメラのフレームレートを超える超高速現象の3次元動画像計測が可能なシステムの実現が本研究の目的である。まず、超高速3次元動画像計測システム試作の第一歩として、ホログラムの記録光源にフェムト秒光パルスレーザを用いる並列ディジタルホログラフィの実証を試みた。これまで、並列ディジタルホログラフィでフェムト秒光パルスを用いた例は未報告であり、並列ディジタルホログラフィにおける像再生計算処理を、フェムト秒光パルスで記録したホログラムに対して正しく適用できるかが明らかでなかった。本研究では、フェムト秒光パルスを用いた並列ディジタルホログラフィを初めて実証するとともに、フェムト秒光パルスのパルス時間幅に相当する超高時間分解能を有した並列ディジタルホログラフィの実現にも成功した。この成果を国際会議(T.Kakue,et al.,DH 2011 Technical Digest ,DWC21,2011)及び国内学会(角江他,3次元画像コンファレンス2011講演論文集,5,2011.角江他,OPJ2011講演予稿集,29pF6,2011.)にて報告した。この成果を踏まえ、並列ディジタルホログラフィに超短光パルス伝播の3次元動画像記録・観察技術に導入して、超高速3次元動画像計測システムを試作した。フェムト秒光パルスを参照光と物体光とに二分するビーム分割素子として偏光ビームスプリッタを用い、この偏光ビームスプリッタと4分の1波長板、微動ステージ付ミラーとを組み合わせた遅延光学系を構築して、参照光と物体光の同期を取ることに成功した。試作システムを用いて、中心波長800nm、パルス時間幅96fsの光パルスが約10psの間、空気中を伝播する様子の動画像記録・観察に成功した。この成果を国内学会(角江他,第59回応用物理学関係連合講演会講演予稿集,03-089,2012.)にて報告した。
|