研究課題/領域番号 |
11J10534
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
数理物理・物性基礎(実験)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
黒田 真史 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2011 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2012年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2011年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 液晶 / トポロジカル欠陥 / 乱流 / 非平衡相転移 / 電気対流 / シェア流 / 協働効果 / 相図 / 細線振動 / 特異点ダイナミクス |
研究概要 |
液晶位相欠陥乱流の臨界挙動に着目し、非平衡相転移としての統計的性質を明らかにするとともに、ソフトマターとしての物性に基づいた評価を行なった。2次元液晶系は大きなアスペクト比をもち、電場による精密な制御が可能であるため、臨界現象を探るには最適な系である。新たに、任意の境界条件を設定できる電極を設計するとともに、面内を横方向に流れるポアズイユ流れを組み込んだマイクロ流体デバイスを構築し、実験を遂行した。 液晶電気対流系においては、横方向のバルク流れを加えた場合の影響を検証した。全活性状態から時間方向に緩和させる臨界クエンチ実験によって、DSMと呼ばれる2つの乱流相間の転移点電圧が、バルク流れの流速の2乗に比例して降下することを発見した。また全活性壁から空間方向に緩和させる実験を初めて行い、新しいスケーリング関係が成立することを実験的に初めて示した。また、シェア流のみで位相欠陥乱流を伸長させる手法を開発し、クモの巣状に連結された線欠陥のネットワークが次第にほどけて緩和する様子を観察した。さらに、振動細線による乱流生成に成功し、振動によって生じた欠陥密度成長に伴って細線の受ける実効的な粘性が増大することを発見した。 本研究により、これまで対流駆動力でしか認知されていなかった液晶系での欠陥乱流の維持に関する相転移において、シェア流による駆動力が有効に寄与することを明確にした。電気対流による駆動力に加えて、横方向流れによる駆動力が相補的に働いて、液晶欠陥乱流の維持に寄与していることを世界で始めて計測し、2つの外力による乱流転移の相図を描くことができた。
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