研究課題/領域番号 |
11J10596
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
発生生物学
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
杉山 真由 東京薬科大学, 生命科学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2011 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2012年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | ゼブラフィッシュ / 細胞周期 / 発生時計 / 体節形成 / ライブ観察 |
研究概要 |
申請者はこれまでに、ゼブラフィッシュの個体レベルで細胞周期インディケータとして機能する細胞周期の進行を2色で示すインディケータ(zFucci)の開発および、これを遺伝子導入したゼブラフィッシュ(Cecyi1)個体を作製した。個体発生は、細胞増殖と形態形成・組織分化が時間的・空間的に巧妙に調節されて生じる。古くから、細胞周期のリズムが内在性の発生時計として機能しているのではないかと考えられてきた。したがって、zFucciを発現したモデル動物の胚発生過程をライブ観察することで、発生現象と細胞周期の相関および非相関関係を明らかにできる可能性が高い。 当初、脊索での分化の様子をモデル化するために、類似点の多い体節形成のモデルに注目していた。脊索と同時に体節形成の観察を行ったところ、体節の形成・分化に細胞周期依存・非依存的な細胞移動・細胞運動のパターンが観察されることに気付いた。以上からまず、体節の解析を先行することにした。 そこで、体節形成リズムに相関した細胞周期の同調性の有無を解析するために、Cecyi1胚のライブ観察及び画像・統計処理を行った。さらに、細胞周期の進行停止が体節形成とその進行周期に影響を与えるかを調べるため、Cecyi1胚への細胞周期進行阻害剤の効果の評価をFACS解析により行った後、阻害剤を投与した状態でCecyi1胚をライブ観察及び画像・統計処理を行った。その結果、ゼブラフィッシュでは、周期的な体節形成のメカニズムは細胞周期の進行との同調性は観察されず、これらは独立したシステムであると考えられた。一方で、体節の分化については細胞周期進行に特異的な現象が見られた。体節は分節化後、体節内で細胞が動きながらそれぞれの役割を持つ細胞に分化し、筋節として成熟していく。細胞周期進行阻害剤によって、その成熟過程に変化があることがわかった。そこで細胞の動きに注目し、分化マーカーを用いて、阻害剤を投与した状態でCecyi1胚体節の分化と細胞周期の関係を観察し、分化においては細胞周期依存的な分化阻害が起こっていることが示唆された。これに加え、Tail protrusionにおいても体節の分化と同様に、細胞周期依存的な細胞の動きの阻害が起こっていることが観察された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の目的である、脊索での分化の様子と同時に体節形成の観察を行ったところ、体節の形成・分化に細胞周期依存・非依存的な細胞移動・細胞運動のパターンが観察されることに気付き、体節の解析を先行することにした。 そのため、当初の脊索の形態分化に関しての研究の進行は遅れているが、私は体節形成・分化における内在性時計としての細胞周期と分節時計の相関の有無の解析を行い、体節形成およびTail protrusionにおける細胞周期と細胞周期の相関および非相関関係を明らかにしてきている。
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今後の研究の推進方策 |
現在は、明らかになってきた体節形成およびTail protrusionにおける細胞周期と細胞周期の相関および非相関関係を、細胞の動きに注目し、ライブ観察及び分化マーカーを用いて体節の分化と細胞周期の関係を論文にまとめている。その後、当初の目的である、脊索での分化の様子と同時に体節形成の観察・解析しモデル化を進める予定である。
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