研究課題
特別研究員奨励費
本研究では、紫外および赤外帯域においてプラズモニック効果を示すナノ材料を開発し、それらの電磁気応答を制御することを目的とする。本年度は、プラズモニック・メタマテリアルの開発に向けて、コロイド多元系における磁気双極子・双極子相互作用を利用した自己組織化のための実験条件の最適化から着手し、金属微粒子から成るプラズモン共振器の作製およびアレイ化を試みた。メタマテリアル、特に可視光帯域で動作する光メタマテリアルの実用化において、当面の課題は3次元性と大量生産性の克服であり、今後の展望の一つは外場によるアクティブ素子の開発にある。そこで、常磁性と反磁性の微粒子を組み合わせて水中に分散させた試料に外部磁場を印加し、リング構造体を可逆的に形成させてメタマテリアルの構成要素(メタ分子)とするための材料探索と条件出しを行った。まず、Auのナノ薄膜やナノ粒子でコートされた様々なマイクロ粒子を用い、リング構造形成における粒子のサイズと磁化方向との関係を比較した。次に、粒子の磁気双極子相互作用に及ぼす磁性流体の影響を検証した。そして、リング構造をさらに小型化・高密度化するため、得られた知見をAuナノ粒子に適用して、微粒子間や微粒子と背景との相互作用を詳細に調べた。金属微粒子のリング構造体は分割リング共振器としての機能が予想されることから、磁気的自己組織化は3次元バルクメタマテリアルの一括・大量生産にとって、磁気的制御は再構成や変調を可能とする動的メタマテリアルの開発にとって、重要である。さらに、ナノスケールへのダウンサイズにより、光メタマテリアルに繋がるという意義がある。
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JAPANESE JOURNAL OF APPLIED PHYSICS
巻: 51 号: 2R ページ: 25201-25201
10.1143/jjap.51.025201
40019170770
CrystEngComm
巻: Vol.13 ページ: 4604-4610