研究課題/領域番号 |
11J10913
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
神経科学一般
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
橋川 浩一 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC2)
|
研究期間 (年度) |
2011 – 2012
|
研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
|
配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2012年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
|
キーワード | 味覚連合学習 / 扁桃体 / 神経細胞集団 / 刺激の収斂 / 薬理遺伝学 / 記憶 / 神経活動 / 遺伝学 |
研究概要 |
研究の目的:連合記憶が脳の一部の細胞に担われることが近年わかってきたものの、どのような細胞集団の活動パターンが記憶形成に関与するかは分かっていなかった。そこで、我々は神経活動の"観察"と"制御"の二通りのアプローチをとってこの課題に取り組んだ。 神経活動の観察は、ArccatFISH法というイメージング法で行った。扁桃体の神経細胞の一部は、二つの刺激(味覚刺激と内臓不快感刺激)これにより、味覚連合学習時に一部の細胞に刺激が収斂することが分かった。 神経活動の制御は、薬理遺伝学的手法を用いて行った。CREBとAllatostatin受容体の遺伝子をHSVによって導入することで一部の細胞における刺激の収斂を阻害することを試みた。CREBを人為的に導入した扁桃体の神経細胞は味覚刺激時に優先的に活性化した。HSV感染細胞を二つ目の刺激時に不活性化することで、CREB導入細胞における刺激の収斂を阻害することができる。刺激の収斂を阻害することで、連合記憶形成が障害されることが明らかにした。 本研究により、特定の神経活動(刺激の収斂)の連合記憶形成への必要性が初めて示された。 これまでの先行研究においては神経活動の観察と制御は別々の研究として行われており、観察された神経活動とその記憶形成への関与は不明確であった。本研究成果は、その点で先駆的な事例であり、今後の記憶研究でもこの観察と制御の複合的アプローチがますます重要になっていくと予想される。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
薬理遺伝学の実験系を立ち上げ、学習に関与する神経活動を明らかにし、研究成果を国際誌に受理させた。
|
今後の研究の推進方策 |
DC2は、24年度で満期であり、期間内に一定の研究成果を得た。研究成果は国際誌に本年二月に受理された。また代表研究者の橋川が海外特別研究員として本年四月より米国に留学するため、今後の研究は、東京大学薬学系研究科薬品作用学教室に依拠する。
|